嘘つきRain
⭐︎1番

キミのことを思い出す時は

いつも雨が降っている

傘をくるくる回しながら

上手に水溜りを避けていく

そんなキミを目で追うだけで

分かったような顔をして

窓ガラスに息を吐く


胸の中に溜まり続ける想いは

溢れ返りそうで

土砂降りの日の

雨音がやけに

鬱陶しく思える

水溜りに飛び込まずにいる

天邪鬼な自分を

嫌って嫌って

せめて…


とんだ嘘つきだよ僕は

もういいなんてこれっぽっちも

思っていない 本当は

キミの隣に

青い花を添えたいんだ

いつしか雨が止んで

花が枯れようとも僕は

枝を握りしめて

この想いを伝えたいんだ

だから雨よ

もう少しこのまま

降り続けて


⭐︎2番

自然と目に入るようになって

いつも空を気にしてる

花は定位置に蕾のままで

胸をほっと撫で下ろす

そんな自分に嫌気がさす度に

てるてる坊主を作っては

逆さまに吊るしてみる


胸に仕舞い込めなくなった想いは

虚空を彷徨って

よく晴れた日の

西日がやけに

じれったく思える

蒸発して消えた水溜り

気まぐれな雨を

もう一度降らせて

どうか


とんだ嘘つきだよ僕は

もういいなんて始めから

思っていない 本当は

青い花の下で

二人肩寄せ歩くシーンを想像してるんだ

いつしか雨が降って

また花開く時に僕は

キミを呼び止めて

この想いを伝えたいんだ

だから雨よ

もう二度と僕に

嘘を吐かせないで


望んだ通りに

雨が降り出して

息を呑む

ありったけの勇気を抱えて

あの花に向かって

走り出す


とんだ嘘つきだったよ僕は

猛ダッシュでキミに追いついて

想いを全て 伝えたい

キミの隣に

青い花は似合うかな

雨音が心地よく

聞こえる今この刹那僕は

キミの名を呼んで

振り返るキミに微笑んだ

交わった時よ

もう少しこのまま

二人きりで














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