妹に虐げられて魔法が使えない無能王女は、政略結婚でお飾り王太子妃になるはずなのに俺様王太子に溺愛されています
7.ディエゴ王太子との初夜
南に位置する炎の国、パイロープ国。
日差しが強く、気温が高い日が多い。スフェーン国では今の季節は暖かく過ごしやすい日が多いが、パイロープ国はもう夏のように暑い。
パイロープ国はアデルが言っていたように都会だ。自然が多いスフェーン国とは違い、都会のパイロープ国は自然は少なく建物が隣接している。ルフェーヌは初めて見るパイロープの街並みに感動する。
陽が傾いた頃に城下町へ入り、渋滞を抜けて小高い山を登っていくと王城に到着した。
ルフェーヌは蒸気車から降りると、正装をしたディエゴが腕を組んでルフェーヌを出迎える。ディエゴの後ろにはその関係者と思われる職員たちが微動だにせず整列している。
「来たか」
ディエゴは口角を上げて笑う。ディエゴの執事、オレリアンが関係者を代表してルフェーヌへ歓迎の言葉を述べる。
「お待ちしておりました、ルフェーヌ王女様。ディエゴ王太子殿下のご婚約者様として歓迎致します」
オレリアンがルフェーヌへ一礼をすると、整列している関係者たちも一斉に一礼をする。
ディエゴの執事であるオレリアンは影のような印象を受ける。濃紫や濃藍が混ざったような深い黒のような髪色と瞳をしている。身長は百七十五センチ前後で細身の体躯をしている。
無表情で物静かに見えるが、内気な印象は受けない。燕尾服を着ていて他執事と変わらないように見えるが、眼光が鋭い。
ディエゴはルフェーヌへ近づき、距離を詰めながら話しかける。
「報告は受けていたが、快諾するとはな。王太子妃になりたかったのか?」
「…………」
ルフェーヌはディエゴから顔を背け、黙って俯いている。ディエゴは口角を上げると満足そうに俯くルフェーヌに言葉を投げる。
「そうやって俺のそばにいろ」
広報部が二人の写真を撮るために声をかける。ルフェーヌはディエゴと距離を空けて横に並ぶ。距離が空いている事に気づき、ディエゴは距離を詰めてルフェーヌの肩を抱く。ルフェーヌはまだ俯いたままだ。
「こっちを見ろ」
ディエゴはルフェーヌの顎に手を添えて、上を向かせる。ディエゴと目が合う。自信に満ちた瞳がルフェーヌを見つめている。
カメラのストロボが光る。見つめ合っている今の瞬間を写真に取られ、気恥ずかしくなる。
広報部の指示により、目線をカメラに向けてもう一枚写真を撮られる。ディエゴに肩を抱かれているが、カメラ目線の写真を撮られる。
ディエゴはゆっくりとルフェーヌの耳元に顔を寄せて小声で低く呟く。
「今晩、俺の部屋に来い。お前にここに来た意味をわからせてやる」
「…………!」
甘美なディエゴの声がルフェーヌの頭の中で響き、一瞬にして顔を紅潮させる。耳まで赤く熱くなり、頭が熱をもったようにふらつく。
ルフェーヌは破裂しそうなほど、鼓動を激しくさせる。経験がなく男性に慣れていないルフェーヌだが、ディエゴが呟いた言葉の意味を理解できるくらい大人の女性だ。
「行くぞ」
ディエゴはルフェーヌへ手を差し出すと、ルフェーヌは無意識にディエゴへ手を重ねる。
ルフェーヌは甘美な熱で頭をふらつかせ、ディエゴに手を引かれて城内へ入っていった。
日差しが強く、気温が高い日が多い。スフェーン国では今の季節は暖かく過ごしやすい日が多いが、パイロープ国はもう夏のように暑い。
パイロープ国はアデルが言っていたように都会だ。自然が多いスフェーン国とは違い、都会のパイロープ国は自然は少なく建物が隣接している。ルフェーヌは初めて見るパイロープの街並みに感動する。
陽が傾いた頃に城下町へ入り、渋滞を抜けて小高い山を登っていくと王城に到着した。
ルフェーヌは蒸気車から降りると、正装をしたディエゴが腕を組んでルフェーヌを出迎える。ディエゴの後ろにはその関係者と思われる職員たちが微動だにせず整列している。
「来たか」
ディエゴは口角を上げて笑う。ディエゴの執事、オレリアンが関係者を代表してルフェーヌへ歓迎の言葉を述べる。
「お待ちしておりました、ルフェーヌ王女様。ディエゴ王太子殿下のご婚約者様として歓迎致します」
オレリアンがルフェーヌへ一礼をすると、整列している関係者たちも一斉に一礼をする。
ディエゴの執事であるオレリアンは影のような印象を受ける。濃紫や濃藍が混ざったような深い黒のような髪色と瞳をしている。身長は百七十五センチ前後で細身の体躯をしている。
無表情で物静かに見えるが、内気な印象は受けない。燕尾服を着ていて他執事と変わらないように見えるが、眼光が鋭い。
ディエゴはルフェーヌへ近づき、距離を詰めながら話しかける。
「報告は受けていたが、快諾するとはな。王太子妃になりたかったのか?」
「…………」
ルフェーヌはディエゴから顔を背け、黙って俯いている。ディエゴは口角を上げると満足そうに俯くルフェーヌに言葉を投げる。
「そうやって俺のそばにいろ」
広報部が二人の写真を撮るために声をかける。ルフェーヌはディエゴと距離を空けて横に並ぶ。距離が空いている事に気づき、ディエゴは距離を詰めてルフェーヌの肩を抱く。ルフェーヌはまだ俯いたままだ。
「こっちを見ろ」
ディエゴはルフェーヌの顎に手を添えて、上を向かせる。ディエゴと目が合う。自信に満ちた瞳がルフェーヌを見つめている。
カメラのストロボが光る。見つめ合っている今の瞬間を写真に取られ、気恥ずかしくなる。
広報部の指示により、目線をカメラに向けてもう一枚写真を撮られる。ディエゴに肩を抱かれているが、カメラ目線の写真を撮られる。
ディエゴはゆっくりとルフェーヌの耳元に顔を寄せて小声で低く呟く。
「今晩、俺の部屋に来い。お前にここに来た意味をわからせてやる」
「…………!」
甘美なディエゴの声がルフェーヌの頭の中で響き、一瞬にして顔を紅潮させる。耳まで赤く熱くなり、頭が熱をもったようにふらつく。
ルフェーヌは破裂しそうなほど、鼓動を激しくさせる。経験がなく男性に慣れていないルフェーヌだが、ディエゴが呟いた言葉の意味を理解できるくらい大人の女性だ。
「行くぞ」
ディエゴはルフェーヌへ手を差し出すと、ルフェーヌは無意識にディエゴへ手を重ねる。
ルフェーヌは甘美な熱で頭をふらつかせ、ディエゴに手を引かれて城内へ入っていった。