妹に虐げられて魔法が使えない無能王女は、政略結婚でお飾り王太子妃になるはずなのに俺様王太子に溺愛されています
28.青いきらめきに包まれた結婚式
結婚式当日。青空が澄み渡る晴天が広がっている。風が心地よく、初冬が始まっているというのに秋のように暖かい日だ。
ルフェーヌは控え室でジョゼに手伝ってもらい、ウエディングドレスに着替え終えていた。鏡には華やかで美しい純白のドレスを着たルフェーヌが映っている。
(別人みたい)
ルフェーヌはウエディングドレスを着て鏡に映っている自分を見て感慨深く思う。
ルフェーヌが初めて別人の自分を見たのは婚約パーティーの時だった。ルフェーヌはディエゴが選んだ赤い宝石、パイロープガーネットを散りばめたフィアンマレッドのドレスを着た時だ。今日もあの時のように自分をそう思える。
「ウエディングドレスはルフェーヌちゃんと王太子殿下の二人で決めたんだよね。似合ってるよ」
ジョゼはルフェーヌの背後から一緒に鏡に映ったルフェーヌを見ている。
ルフェーヌはジョゼへ「ありがとう」とお礼を伝えると、黙り込む。ジョゼは不思議に思い、ルフェーヌにたずねる。
「わたしが好きな人に愛されて結婚できるなんて嘘みたい」
ルフェーヌの声は嬉しさで震える。考えるだけで胸が嬉しさで溢れて、あたたかくなっていく。ずっと心の奥底で好きだったディエゴと結婚できる幸せを感じている。
スフェーン国にいた自分では考えられない。ルフェーヌはこの運命を紡いでくれたディエゴに感謝する。
「そんなに幸せと思えるなんて、王太子殿下も嬉しいだろうね。アタシも感慨深いよ」
「ジョゼさんが侍女としてわたしを支えてくれたからよ。いつもありがとう」
「わ~! よしてよ! こういうのに弱いんだって!」
ルフェーヌとジョゼは式場である大聖堂へ移動する前に談笑した。
***
エントランスを出て城の外へ行くと、結婚式を行う大聖堂へ行くための天井がない蒸気車が止まっている。ディエゴは正装姿で蒸気車の前に立っている。ルフェーヌはディエゴの正装姿を式典の時にも見たが、その姿に見惚れる。
ディエゴはルフェーヌに近づき、ルフェーヌの婚約指輪をはめている右手を取り、キスを落とす。
「綺麗だ」
ディエゴの真っ直ぐな褒め言葉にルフェーヌは笑みを浮かべ、ディエゴと一緒に蒸気車へ乗り込んで大聖堂へ向かう。
ディエゴはルフェーヌが身体を固くし、緊張している事に気づく。
「緊張しているのか?」
ルフェーヌは頷く。
ディエゴはルフェーヌの肩を抱き寄せる。
「ルフェーヌの緊張を解くために甘い言葉を囁いてやろうか?」
ディエゴの色香を含ませた声で囁かれ、ルフェーヌの頬が赤く染まる。
「ディエゴ様の声が好きだから緊張はなくなるけど、ディエゴ様の声に夢中になりすぎて困ってしまうわ」
「ルフェーヌは俺を煽るのが上手いな。本当はルフェーヌの頭を俺でいっぱいにさせて結婚式をしたい所だが、お前のその可愛い顔を世界中に見せる訳にはいかないからな。……俺だけの可愛い女の顔」
語尾を吐息混じりに囁かれ、ルフェーヌは頬をさらに赤く染める。ディエゴは満足そうに笑う。
ディエゴはルフェーヌの頬に手を添えて、頬にキスを落とす。
「本当は唇がいいが、誓いのキスまで我慢だな。ルフェーヌ、俺たちの結婚式を最高の思い出にするぞ」
ルフェーヌはディエゴのおかげで緊張をほぐして元気に返事をした。
ルフェーヌは控え室でジョゼに手伝ってもらい、ウエディングドレスに着替え終えていた。鏡には華やかで美しい純白のドレスを着たルフェーヌが映っている。
(別人みたい)
ルフェーヌはウエディングドレスを着て鏡に映っている自分を見て感慨深く思う。
ルフェーヌが初めて別人の自分を見たのは婚約パーティーの時だった。ルフェーヌはディエゴが選んだ赤い宝石、パイロープガーネットを散りばめたフィアンマレッドのドレスを着た時だ。今日もあの時のように自分をそう思える。
「ウエディングドレスはルフェーヌちゃんと王太子殿下の二人で決めたんだよね。似合ってるよ」
ジョゼはルフェーヌの背後から一緒に鏡に映ったルフェーヌを見ている。
ルフェーヌはジョゼへ「ありがとう」とお礼を伝えると、黙り込む。ジョゼは不思議に思い、ルフェーヌにたずねる。
「わたしが好きな人に愛されて結婚できるなんて嘘みたい」
ルフェーヌの声は嬉しさで震える。考えるだけで胸が嬉しさで溢れて、あたたかくなっていく。ずっと心の奥底で好きだったディエゴと結婚できる幸せを感じている。
スフェーン国にいた自分では考えられない。ルフェーヌはこの運命を紡いでくれたディエゴに感謝する。
「そんなに幸せと思えるなんて、王太子殿下も嬉しいだろうね。アタシも感慨深いよ」
「ジョゼさんが侍女としてわたしを支えてくれたからよ。いつもありがとう」
「わ~! よしてよ! こういうのに弱いんだって!」
ルフェーヌとジョゼは式場である大聖堂へ移動する前に談笑した。
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エントランスを出て城の外へ行くと、結婚式を行う大聖堂へ行くための天井がない蒸気車が止まっている。ディエゴは正装姿で蒸気車の前に立っている。ルフェーヌはディエゴの正装姿を式典の時にも見たが、その姿に見惚れる。
ディエゴはルフェーヌに近づき、ルフェーヌの婚約指輪をはめている右手を取り、キスを落とす。
「綺麗だ」
ディエゴの真っ直ぐな褒め言葉にルフェーヌは笑みを浮かべ、ディエゴと一緒に蒸気車へ乗り込んで大聖堂へ向かう。
ディエゴはルフェーヌが身体を固くし、緊張している事に気づく。
「緊張しているのか?」
ルフェーヌは頷く。
ディエゴはルフェーヌの肩を抱き寄せる。
「ルフェーヌの緊張を解くために甘い言葉を囁いてやろうか?」
ディエゴの色香を含ませた声で囁かれ、ルフェーヌの頬が赤く染まる。
「ディエゴ様の声が好きだから緊張はなくなるけど、ディエゴ様の声に夢中になりすぎて困ってしまうわ」
「ルフェーヌは俺を煽るのが上手いな。本当はルフェーヌの頭を俺でいっぱいにさせて結婚式をしたい所だが、お前のその可愛い顔を世界中に見せる訳にはいかないからな。……俺だけの可愛い女の顔」
語尾を吐息混じりに囁かれ、ルフェーヌは頬をさらに赤く染める。ディエゴは満足そうに笑う。
ディエゴはルフェーヌの頬に手を添えて、頬にキスを落とす。
「本当は唇がいいが、誓いのキスまで我慢だな。ルフェーヌ、俺たちの結婚式を最高の思い出にするぞ」
ルフェーヌはディエゴのおかげで緊張をほぐして元気に返事をした。