天咲りらさんのレビュー一覧
“私がいなくなったら、この世界はどうなると思う?”
“たった一人じゃ世界は変わらない”
*
───そう言った由羅はどんな気持ちだったのだろう。
病名は分からないけれど、小さい頃から病気で先の見えない暗い世界を生きていた由羅。
それでも彼女は“誰かの希望になりたい”と、生徒会長として自ら積極的に誰かのために動く。
確かに、この地球には46億人もの人が暮らしていて、“たった一人”いなくなったくらいでは彼女の言うように大して変わらないのかもしれない。
でも、その“たった一人一人”がこの世界を作り上げているんだ。
きっと、彼女は多くの人の希望、そして憧れられる存在だった。
彼女がいなくなってしまったけれど、蓮の世界に彼女はいつまでも残り続けるんだろうな。
───砂時計が止った日。
だってそれは、彼女が蓮に希望を与えた日だから。
p.s:由羅と蓮が来世でまた会えることを願って。
───わたしはきっと、数ある選択肢のうち、一番辛くて最低な答えを選んだのだと思う。
*
この一文で始まるこの物語。
この一文は色々な意味で私に強烈な印象を与えた。
物語を読み進めるうちに、主人公の葉月の気持ちの想いがつまったこの言葉をどう受け止めていいのか分からなくなった。
少なくとも私は、“最低な答え”だとは思わなかった。
大切な人のために自分を押し殺して他人に成り代わる。
それがもし、後にカナが傷つくことだとしても、カナのそばにいたいという下心があったとしても。
私の目には眩しく写った。
───葉月もカナもイチも。
幸せになってほしいな。
とても細やかな葉月やたまにイチの心理描写に、彼らの苦しみや辛さがよりリアルに伝わってきてとてもよかったです。
───神様の隣で、君が笑った。
*
最後まで読み終わって、そのタイトルに込められた深い想いに気づいた時、ただひたすら泣いた。
私自身、半年前に通っていた精神科の先生から少しADHDの傾向があると言われたこともあり、無意識にどんどんページをめくっていた。
自分がADHDであることに影ながら苦しむ菜乃花。その菜乃花を幼なじみの立場から支えようと必死な朝陽。そんな二人をそばで暖かく見守るリュージ。そして、いつも真っ直ぐで“普通”に近づけるように努力する菜乃花にしだいに惹かれていく陸斗。
みながみな、私の目にはとても眩しく写った。
そして、一言では語りきれないほど素晴らしい言葉やセリフを数多く生み出してくれた作者様に感謝します。
この作品は、私にとっていつまでも忘れない作品になるでしょう。
初めて本気で好きになった相手は自分の親友が好きだった。
そして、その親友もその相手が好きだった。
───遥の最大の苦しみ。
他にも、自分には将来の夢がないことや、お母さんに優秀な兄と比べられること。
たくさんの悩みを抱えながら、それでも一生懸命生きようとする遥に何度も何度も涙した。
───本音でぶつかること。
それは、簡単なことのように思えて、実はとても勇気ある行動だ。
今の関係を壊すことが怖くて、自分の気持ちさえもはっきりと分からなくて本音をなかなか打ちあけられなかった遥。
そして、弟が怪我をしたのは自分のせいだと一方的に決め付けて、弟の気持ちを聞かずに自分の殻に閉じこもっていた天音。
各登場人物の本音に、とても心を揺さぶられる。
───最後に。
とても深くて、様々なメッセージを受け取れるこの作品は、私の宝物です。
本能であり、たとえそれが叶わない不毛の片想いだったとしてもやめられない。
それが恋というもの。
今時手紙という形で想いを告げる人は少ないであろう。
しかし、綺麗な文字に綺麗な文章。
それがたとえ自分ではない誰かに宛てられたものでも、とても暖かい気持ちになる主人公。
文通の相手は、顔を見たこともない、声を聞いたこともない人。
そして、相手を騙している罪悪感に駆られながらも、文通の相手に想いを寄せて言葉を紡ぐ主人公に、不思議と心惹かれた。
お互い嘘はつき続けていたけれど、手紙に書いていた想いは本物であり、手紙の中に嘘はなかったのだと思った。
21ページという短いこのお話。
しかし、その中からは様々な想いやメッセージを受け取れる、そんな素敵な作品です。
久しぶりにこの作品を読みました。
傍にいるはずなのに、お互いの想いが上手く交わらない、そんな二人のもどかしい想いが伝わってきました。
お互い不安になるくらい互いが好きで、自分に自信がない二人。
すごく似てる、と読みながらちょっぴり笑ってしまいました。
近くて遠い。
そのことに、切なくもなるけど、ゆららと遊馬の相手を想う純粋な心にとても心温まる作品です。
なんでも出来る。
それは素晴らしいことのようで、時には自分や周りの人が傷つくことがあること。
決して誰かが悪いわけじゃない。
だけど、葉月くんは自分のせいだと自分を責めて、自分を隠すようになった。
“葉月くんは優しいよ”
物語の中で何度か琴莉ちゃんが言うセリフ。
本当にその通りだと思った。
人のためを思って行動出来る人。
そして、人の気持ちを大切に出来る人。
わたしは、葉月くんはそんな人だと思う。
葉月くんと飛鳥くんと双葉先輩。
琴莉ちゃんと咲希ちゃん。
幼なじみ同士、お互いを大切に想う心。
そして、お互いにいいところを見つけて、ちゃんと相手のことを想いあってこその言葉。
すごくすごく感動しました。
“言った側は覚えてなくても、言われた側はずっと忘れない”
という言葉も。
葉月くんの素顔は甘くてズルい♡
大好きです(≧∀≦)
とてもとても良かったです…!
miNatoさんの作品を読めば読むほどハマっていきます(*^▽^*)
たまちゃんが好きなことに気づかない高瀬くん。
ちょっと可愛いなと思ってしまいました…!
とにかく高瀬くん押しです♪
たまちゃんと高瀬くん、とてもいい組み合わせだと思います(^^)
これからの二人のお話も気になります。
それから、西河と穂波のお話も見てみたいです。
命ってなんだろう。
生きるってなんだろう。
そして今を生きるわたし達とは決定的に違う生きることや命に対する価値観。
わたしも百合のようにあの時代へ行っていたとしたら、きっと同じようにどうしてそんな考え方をするのだろうと思ったに違いない。
でも、第二次世界大戦があったからこそこそ今の日本があるわけで。
そう思うとすごく複雑な気持ちだ。
現代を生きるわたし達は、戦争をもう二度と繰り返してはならない悲惨なものと捉えている人も多いのではないかと思う。
でもそれだけなく、たくさんの人の心の声が詰まっていたはず。
気付いたら泣いていて、何故わたしは泣いているのか、それさえも分かりませんでした。
ただ一つ言えるのは、とても心に響く作品でした。
彰に対する百合の恋心を純粋に綺麗だと思いました。
完結したその日に読みました。久しぶりにすごく感動して、泣きました。(ファンにも登録させていただきました)
“あおいそら”
すごく好きです☆