中高一貫 私立南雲学園に通う「紫陽花姫」は 儚く美しい花弁を纏って 紫色に輝いてから 一人散ろうとしている。 「お前が居た方が良いって思う奴も居るんだし、人生自分でもったいなくする必要はねーんじゃねぇの？」 「⋯⋯どこに居るって言うんです、そんなひと」 「⋯⋯ここに居るけど」 ୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧ 紫陽花姫 結宮時雨 Yumiya Sigure 中学三年生 × 女嫌い 凛月蛍 Rituki Hotaru 高校一年生 「蛍先輩は、なんでそんなに尽くしてくれるんですか？」 「んー⋯⋯秘密」 恋なんて 「悲しーなら慰めてあげるから、俺んとこおいでよ」 虚しいものでしかない。 「もう⋯⋯面倒臭いので、私のことは好きにしてください」 でも、 貴方になら 「好きって言ってくれたら、許してあげるけど？」 恋しても良いかなって 想っちゃったから。 「⋯⋯好きです。⋯⋯もちろん嘘ですが」 「時雨って、ツンデレだし生意気だしの後輩だけど。 嫌いにはなれないんだよ。 可愛ーから」 夢中にさせたぶん、 私をリードしてくださいね？ ⋯⋯先輩。 今日もきっと、 私は彼に夢中です。 儚げな紫陽花姫は 初めての恋に翻弄される。 2025 5 … 15