馳月基矢さんのレビュー一覧
行きつけのレコード店の次女、三春に一目惚れした太。 一直線に追いかけてくる太を突っぱねる、自称一匹狼の三春。 二人きりの店番に、映画デート、ストレートすぎる「愛のことば」の嵐。 でも「DERRINGER」みたいに危険な彼女は、太をにらみつけるばかり。 落ち着くところに落ち着かない、一筋縄ではいかない、青春模様、恋模様。 いい感じにぐちゃぐちゃのロックテイストが素敵です。 十二月の雪の日に垣間見える「未来の破片」に胸キュン。 もっと読んでいたい、もっと二人がぶつかり合うところを見てみたい、と思う作品でした。
行きつけのレコード店の次女、三春に一目惚れした太。
一直線に追いかけてくる太を突っぱねる、自称一匹狼の三春。
二人きりの店番に、映画デート、ストレートすぎる「愛のことば」の嵐。
でも「DERRINGER」みたいに危険な彼女は、太をにらみつけるばかり。
落ち着くところに落ち着かない、一筋縄ではいかない、青春模様、恋模様。
いい感じにぐちゃぐちゃのロックテイストが素敵です。
十二月の雪の日に垣間見える「未来の破片」に胸キュン。
もっと読んでいたい、もっと二人がぶつかり合うところを見てみたい、と思う作品でした。
貴族の姫君として生まれ育ちながら、今は白縫山の盗賊となった汀【みぎわ】。 突拍子もなく天真爛漫で、そそっかしくて危なっかしくて、今日も絶賛暴走中。 汀に振り回されるのは、赤髪の半妖の青年、灯【あかり】。 クールで無愛想なはずの灯も、汀のことはどうにも放っておけず、案外楽しそうに、一緒にトラブルに巻き込まれています。 何をやっても、とんでもない方向へ事態を転がしてしまう汀が、今度は青羽山の盗賊にさらわれた!? 汀の奪還を目指す灯たち。 でも、さらにひと波乱、ふた波乱、と、汀が引き寄せてしまって……。 ファンタジーでコメディで、ときどきロマンス、さりげなくヒューマンドラマ。 ほのぼのと楽しめる作品です。
貴族の姫君として生まれ育ちながら、今は白縫山の盗賊となった汀【みぎわ】。
突拍子もなく天真爛漫で、そそっかしくて危なっかしくて、今日も絶賛暴走中。
汀に振り回されるのは、赤髪の半妖の青年、灯【あかり】。
クールで無愛想なはずの灯も、汀のことはどうにも放っておけず、案外楽しそうに、一緒にトラブルに巻き込まれています。
何をやっても、とんでもない方向へ事態を転がしてしまう汀が、今度は青羽山の盗賊にさらわれた!?
汀の奪還を目指す灯たち。
でも、さらにひと波乱、ふた波乱、と、汀が引き寄せてしまって……。
ファンタジーでコメディで、ときどきロマンス、さりげなくヒューマンドラマ。
ほのぼのと楽しめる作品です。
人間と動物の融合から造り出された存在、異形。 PK(超能力)を操るサイキックと、荒廃した世界で文明復興を目指す組織〈トランプ〉。 不老不死の秘術を巡る、人々の願い、野心、孤独、悲しみ。 今より五百年先の未来を舞台に繰り広げられるのは、膨大な秘密をその身に宿した二人――「ただの女の子」と寂しがり屋の少年――の出会いと旅立ちの物語。 見世物小屋の檻の中で生かされてきた異形の少女、エル。 唯一の友達が死んだ日、エルの運命は動き始める。 エルは「研究資料」として〈トランプ〉に買い取られた。 灰白色の髪を持つサイキックの少年、ゼン。 彼は〈トランプ〉の護送車からエルを奪い取ると、エルに告げた。 「殺さなきゃいけないやつがいる」 命とは、不老不死とは、幸せとは、一体何なのか。 人間の願望と発展の行く末を問う、ファンタジーSFです。
人間と動物の融合から造り出された存在、異形。
PK(超能力)を操るサイキックと、荒廃した世界で文明復興を目指す組織〈トランプ〉。
不老不死の秘術を巡る、人々の願い、野心、孤独、悲しみ。
今より五百年先の未来を舞台に繰り広げられるのは、膨大な秘密をその身に宿した二人――「ただの女の子」と寂しがり屋の少年――の出会いと旅立ちの物語。
見世物小屋の檻の中で生かされてきた異形の少女、エル。
唯一の友達が死んだ日、エルの運命は動き始める。
エルは「研究資料」として〈トランプ〉に買い取られた。
灰白色の髪を持つサイキックの少年、ゼン。
彼は〈トランプ〉の護送車からエルを奪い取ると、エルに告げた。
「殺さなきゃいけないやつがいる」
命とは、不老不死とは、幸せとは、一体何なのか。
人間の願望と発展の行く末を問う、ファンタジーSFです。
闇深い町と無法な“あっちの世界”を舞台に、超絶お転婆娘の彩香が暴れ回る! 乱闘あり、銃撃あり、変人ばっかりのマンションもキュートなオカマたちのバーもあり! とにかくパワフルなSFハードボイルドです。 喧嘩っ早くて危なっかしい爆弾娘の彩香を始め、ひょんなことから彩香を拾う峯口も、頼れるお調子者のジョージも、ニヒルで隠れ熱血漢な風間も、登場人物みんなが生き生きしてします。 彩香の危険で楽しい毎日も、“あっちの世界”をめぐる抗争も、まだ紐解かれ始めたばかり。 続編を読み進めるのが楽しみなエンターテインメントです。
闇深い町と無法な“あっちの世界”を舞台に、超絶お転婆娘の彩香が暴れ回る!
乱闘あり、銃撃あり、変人ばっかりのマンションもキュートなオカマたちのバーもあり!
とにかくパワフルなSFハードボイルドです。
喧嘩っ早くて危なっかしい爆弾娘の彩香を始め、ひょんなことから彩香を拾う峯口も、頼れるお調子者のジョージも、ニヒルで隠れ熱血漢な風間も、登場人物みんなが生き生きしてします。
彩香の危険で楽しい毎日も、“あっちの世界”をめぐる抗争も、まだ紐解かれ始めたばかり。
続編を読み進めるのが楽しみなエンターテインメントです。
父が家を出て行って、五年。 明日が妹の結婚式という日、兄は、音信不通の父へメールを送った――。 「中立」の立場を貫く兄の視点で、冷静かつ繊細に語られる物語です。 妹の危うさと賢さ、冷たさと弱さ、時折かいま見える可愛らしさ。 父が出て行った当時の情景や心情が、簡潔な描写ながら鮮明に伝わってきます。 クライマックスで見せる妹の、この上なく可憐な「ツンデレ」は、破壊力抜群に涙を誘いました。 心温まるノンフィクションです。
父が家を出て行って、五年。
明日が妹の結婚式という日、兄は、音信不通の父へメールを送った――。
「中立」の立場を貫く兄の視点で、冷静かつ繊細に語られる物語です。
妹の危うさと賢さ、冷たさと弱さ、時折かいま見える可愛らしさ。
父が出て行った当時の情景や心情が、簡潔な描写ながら鮮明に伝わってきます。
クライマックスで見せる妹の、この上なく可憐な「ツンデレ」は、破壊力抜群に涙を誘いました。
心温まるノンフィクションです。
人造人間であるゴーレムの「心」は、羅針盤の針。 「天才」に造られたゴーレムのニコは、人間との触れ合いの中で、ひとつひとつ「心」を覚え、瑠璃色の羅針盤にさまざまな色の針を増やしていく。 職人の街・ルースを舞台に、ゴーレムで修理屋のニコ、刺繍屋の少女ティファニー、飾り職人の少年セドナたちが繰り広げる物語。 日常風景を中心に、個性豊かな職人たちと出会ったり、森へ出かけて危険な目に遭ったり、職人らしい機転を利かせてピンチを切り抜けたり。 でも、野心を秘めた王子が現れたとき、優しく楽しい日常が壊れ始める。 文庫本5~6冊相当の読みごたえのある物語です。 照れ屋なセドナが、ティファニーへの恋を通じて少年から大人の男へと成長する姿に冷やかしと声援を贈りながらページをめくりました。 ニコは、やがて、最後のひとつの「心」を覚えます。 そのとき彼が見せる初めての表情に、胸が痛くなりました。
人造人間であるゴーレムの「心」は、羅針盤の針。
「天才」に造られたゴーレムのニコは、人間との触れ合いの中で、ひとつひとつ「心」を覚え、瑠璃色の羅針盤にさまざまな色の針を増やしていく。
職人の街・ルースを舞台に、ゴーレムで修理屋のニコ、刺繍屋の少女ティファニー、飾り職人の少年セドナたちが繰り広げる物語。
日常風景を中心に、個性豊かな職人たちと出会ったり、森へ出かけて危険な目に遭ったり、職人らしい機転を利かせてピンチを切り抜けたり。
でも、野心を秘めた王子が現れたとき、優しく楽しい日常が壊れ始める。
文庫本5~6冊相当の読みごたえのある物語です。
照れ屋なセドナが、ティファニーへの恋を通じて少年から大人の男へと成長する姿に冷やかしと声援を贈りながらページをめくりました。
ニコは、やがて、最後のひとつの「心」を覚えます。
そのとき彼が見せる初めての表情に、胸が痛くなりました。
高飛車で人使いが荒くてワガママで自分勝手で。 でも、顔だけは最高にかわいいし、一緒にご飯を食べると楽しい。 そんな女、タカハシ。 振り回されてばかりのアッシー兼コックのニッシー。 いい人オーラが出まくってます。 ニッシー視点で語られるタカハシは、小悪魔だけどピュアで無邪気で、ひたすらキュート。 「都合の悪い女」の定義と解釈に始まり、ツンデレっぽいセリフを吐きつつツンツンしきれてないラストシーンまで、余すところなく楽しめるエンタメ作品です。
高飛車で人使いが荒くてワガママで自分勝手で。
でも、顔だけは最高にかわいいし、一緒にご飯を食べると楽しい。
そんな女、タカハシ。
振り回されてばかりのアッシー兼コックのニッシー。
いい人オーラが出まくってます。
ニッシー視点で語られるタカハシは、小悪魔だけどピュアで無邪気で、ひたすらキュート。
「都合の悪い女」の定義と解釈に始まり、ツンデレっぽいセリフを吐きつつツンツンしきれてないラストシーンまで、余すところなく楽しめるエンタメ作品です。
崖っぷちから転げ落ちたグラビアアイドルの優奈。 ギリギリのところで助けてくれたのは、中学時代の同級生、イッシ君。 事務所を飛び出したら行く宛てのない優奈は、頭が切れて無愛想気味のイッシ君のマンションに転がり込む。 ジェットコースターみたいな展開で同居することになる2人ですが、胸の内はとてもリアルで等身大です。 ねたんだり、嫌味を言ってしまったり、ないものねだりをしたり、大切な人とすれ違ったり。 イッシ君の従妹のしおりちゃんや、しおりちゃんの同級生のリクも、それぞれにコンプレックスを抱えています。 素直な心で触れ合えたとき、一歩、幸せに近付ける。 ほっこりするラストが素敵でした。 今までつらい思いをしたぶん、未来は、どうぞお幸せに!
崖っぷちから転げ落ちたグラビアアイドルの優奈。
ギリギリのところで助けてくれたのは、中学時代の同級生、イッシ君。
事務所を飛び出したら行く宛てのない優奈は、頭が切れて無愛想気味のイッシ君のマンションに転がり込む。
ジェットコースターみたいな展開で同居することになる2人ですが、胸の内はとてもリアルで等身大です。
ねたんだり、嫌味を言ってしまったり、ないものねだりをしたり、大切な人とすれ違ったり。
イッシ君の従妹のしおりちゃんや、しおりちゃんの同級生のリクも、それぞれにコンプレックスを抱えています。
素直な心で触れ合えたとき、一歩、幸せに近付ける。
ほっこりするラストが素敵でした。
今までつらい思いをしたぶん、未来は、どうぞお幸せに!
骨董品屋の孫娘、思葉(ことは)は、「観える」体質の持ち主。 幼いころ、両親からも気味悪がられて孤独を味わったため、対人関係には少し臆病なところがある。 そんな思葉のもとへ、古い神社からやって来たのは、魂を持つ妖刀の霧雨玖皎(きりさめ・くしろ)。 安倍晴明とゆかりのある、御年一千歳を超える玖皎は、意外にも好奇心旺盛で平成の世に興味津々。 ウォークマンで音楽を聴いたりパソコンでテレビを観たり、と刀の姿なりに楽しんでいる。 少し口が悪いところもあるけれど、次第に思葉と打ち解けてくる。 そして二人(一人と一振り?)が出くわしたのは、女の怨念が宿った古道具。 息詰まる戦いの末、思葉がたどり着く「彼女」の真の姿とは? ちょっととぼけた思葉とナイスガイな玖皎のやり取りが微笑ましいです。 普段の玖皎が不器用ながら優しい分、ますます、彼が抱えた過去の「罪」、「護る」という言葉の重みが、胸に響きます。
骨董品屋の孫娘、思葉(ことは)は、「観える」体質の持ち主。
幼いころ、両親からも気味悪がられて孤独を味わったため、対人関係には少し臆病なところがある。
そんな思葉のもとへ、古い神社からやって来たのは、魂を持つ妖刀の霧雨玖皎(きりさめ・くしろ)。
安倍晴明とゆかりのある、御年一千歳を超える玖皎は、意外にも好奇心旺盛で平成の世に興味津々。
ウォークマンで音楽を聴いたりパソコンでテレビを観たり、と刀の姿なりに楽しんでいる。
少し口が悪いところもあるけれど、次第に思葉と打ち解けてくる。
そして二人(一人と一振り?)が出くわしたのは、女の怨念が宿った古道具。
息詰まる戦いの末、思葉がたどり着く「彼女」の真の姿とは?
ちょっととぼけた思葉とナイスガイな玖皎のやり取りが微笑ましいです。
普段の玖皎が不器用ながら優しい分、ますます、彼が抱えた過去の「罪」、「護る」という言葉の重みが、胸に響きます。
「ユーレイはSF。むしろ自分にとってはノンフィクション」 と説明を始めたカレの正体は、ユーレイ。 一人暮らしの高校生・唯と、唯のもとに現れた中学生くらいのユーレイ少年・雫。 二人のキャラクターが本当に魅力的です。 「上位ランカー」の守護霊を自称する雫は、大食らいの子犬系ペットみたいで、唯は次第に明るさを取り戻していきます。 生き生きとして温かなユーレイの、切なく優しい物語です。
「ユーレイはSF。むしろ自分にとってはノンフィクション」
と説明を始めたカレの正体は、ユーレイ。
一人暮らしの高校生・唯と、唯のもとに現れた中学生くらいのユーレイ少年・雫。
二人のキャラクターが本当に魅力的です。
「上位ランカー」の守護霊を自称する雫は、大食らいの子犬系ペットみたいで、唯は次第に明るさを取り戻していきます。
生き生きとして温かなユーレイの、切なく優しい物語です。
何百年も生きる狐たちと、儚い命の人間の娘。 時代を下りながら織り成される恋模様は、不思議で甘く、また過酷で切ない。 人喰い狐を心の闇から救う少女の愛も、 狂おしい形に結ばれた狐と人の夫婦の愛も、 人間を好み人間を嘆くお狐様の愛も、 指切りの約束を信じて苦界を耐える遊女の愛も、 蔑まれた混血児を選び、赦す彼女の愛も、 温かく哀しい余韻を引いて、胸に残ります。
何百年も生きる狐たちと、儚い命の人間の娘。
時代を下りながら織り成される恋模様は、不思議で甘く、また過酷で切ない。
人喰い狐を心の闇から救う少女の愛も、
狂おしい形に結ばれた狐と人の夫婦の愛も、
人間を好み人間を嘆くお狐様の愛も、
指切りの約束を信じて苦界を耐える遊女の愛も、
蔑まれた混血児を選び、赦す彼女の愛も、
温かく哀しい余韻を引いて、胸に残ります。
帝がおわします宮中は、陰謀の蔓延る魔窟。 盗賊の棲み付く山郷は、真心に満ちて平穏。 都を逃れて身を隠す皇子と、孤独に生きてきた白い妖狐。 雪深い白縫山で出会う二人の、美しく儚く悲しい恋物語。 容貌にも学問にも優れる皇子、沙霧。 彼の優しく大らかな為人に魅了されます。 また、純白の容姿と妖の力を持つ少女、泡雪。 野生的で素直で一途な彼女は、本当にかわいらしい。 惹かれ合う二人を見守る白縫山の面々は温かく、一方、宮中の暗澹たる人間模様には胸が冷えます。 皇子・沙霧と妖狐・泡雪の数奇な運命を描く平安王朝風ファンタジー。 灯の物語へとつながる、これは始まりの物語です。
帝がおわします宮中は、陰謀の蔓延る魔窟。
盗賊の棲み付く山郷は、真心に満ちて平穏。
都を逃れて身を隠す皇子と、孤独に生きてきた白い妖狐。
雪深い白縫山で出会う二人の、美しく儚く悲しい恋物語。
容貌にも学問にも優れる皇子、沙霧。
彼の優しく大らかな為人に魅了されます。
また、純白の容姿と妖の力を持つ少女、泡雪。
野生的で素直で一途な彼女は、本当にかわいらしい。
惹かれ合う二人を見守る白縫山の面々は温かく、一方、宮中の暗澹たる人間模様には胸が冷えます。
皇子・沙霧と妖狐・泡雪の数奇な運命を描く平安王朝風ファンタジー。
灯の物語へとつながる、これは始まりの物語です。
貴族文化が花開き、風雅に香り高い都、華月京。 ある望月の晩、青い瞳の姫君、汀【みぎわ】は、赤い髪の盗賊、灯【あかり】と出会う。 天真爛漫な汀と無口で無愛想な灯がは、次第に惹かれ合い――。 と書くと、小難しくてお高く留まった文学作品のようですが、そんなことはなく。 かわいい! つかみどころがないほど天然な汀も。 汀にペースを乱されっぱなしの灯も。 とにかくかわいい! 著者様の平安時代文化や和歌に対する深い造詣が、物語にリアリティと奥行きを与えています。 ほんわりとかわいらしくもあり、凛と張り詰めた上品さも併せ持つ、平安王朝風ファンタジーです。
貴族文化が花開き、風雅に香り高い都、華月京。
ある望月の晩、青い瞳の姫君、汀【みぎわ】は、赤い髪の盗賊、灯【あかり】と出会う。
天真爛漫な汀と無口で無愛想な灯がは、次第に惹かれ合い――。
と書くと、小難しくてお高く留まった文学作品のようですが、そんなことはなく。
かわいい!
つかみどころがないほど天然な汀も。
汀にペースを乱されっぱなしの灯も。
とにかくかわいい!
著者様の平安時代文化や和歌に対する深い造詣が、物語にリアリティと奥行きを与えています。
ほんわりとかわいらしくもあり、凛と張り詰めた上品さも併せ持つ、平安王朝風ファンタジーです。
何を守るのか。 なぜ守るのか。 守ることは、戦うことなのか。 命を散らす意味は、何なのか。 70年の時代を超えて、終戦間際の夏へと一人迷い込んだ百合。 そこで出会う人々の思いがけない優しさと明るさ。 けれど、そこは確かに戦時中の貧しい社会。 彼らを取り巻く価値観は、百合の目には「狂っている」と映る。 若い兵士たちの心情――死への恐怖と、それを上回る誇りや覚悟。 彼らの恋と愛、笑顔と涙。 読むならば、覚悟してください。 戦への怒りと悲しみに誠心誠意向き合った作者様の覚悟を無為にしないで。 この物語を、どうぞ心に刻んでください。
何を守るのか。
なぜ守るのか。
守ることは、戦うことなのか。
命を散らす意味は、何なのか。
70年の時代を超えて、終戦間際の夏へと一人迷い込んだ百合。
そこで出会う人々の思いがけない優しさと明るさ。
けれど、そこは確かに戦時中の貧しい社会。
彼らを取り巻く価値観は、百合の目には「狂っている」と映る。
若い兵士たちの心情――死への恐怖と、それを上回る誇りや覚悟。
彼らの恋と愛、笑顔と涙。
読むならば、覚悟してください。
戦への怒りと悲しみに誠心誠意向き合った作者様の覚悟を無為にしないで。
この物語を、どうぞ心に刻んでください。
静かで、優しくて、切ない。
ふわりとした体温を感じるような、先生と生徒の恋。
近づいていく距離に戸惑いながら、嬉しさを感じた数ヶ月。
お互いが自分の気持ちに気づいて、遠ざけ合う1年数ヶ月。
禁断の恋──破られない礼儀がもどかしく、いじらしい。
リアリティのある切なさが迫ってきます。
口数の多くない彩香ちゃんと藤森先生。
2人を包む柔らかくて確かな空気に、いつまでも触れていたくなる物語です。
どうやら彼は、一般人とは違う次元に生きているらしい。 日常生活のあらゆる場面で「めんどくさい」を連発する。 こんなんでやっていけるわけ? と、世話を焼きたくなったら、ヒロイン・橘さんと一緒に、変人な大学院生・南くんに心を惹かれてしまいます。 橘さんもまた、しっかり者に見えて、本当に乙女でかわいらしい人。 だんだんと見えてくる南くんの本心は? 「めんどくさい」の裏側にある本性は? さらりと読めて心が楽しくなる短編作品です。
どうやら彼は、一般人とは違う次元に生きているらしい。
日常生活のあらゆる場面で「めんどくさい」を連発する。
こんなんでやっていけるわけ?
と、世話を焼きたくなったら、ヒロイン・橘さんと一緒に、変人な大学院生・南くんに心を惹かれてしまいます。
橘さんもまた、しっかり者に見えて、本当に乙女でかわいらしい人。
だんだんと見えてくる南くんの本心は?
「めんどくさい」の裏側にある本性は?
さらりと読めて心が楽しくなる短編作品です。
出会いのときめき すれ違いの切なさ 離ればなれの寂しさ。 私があなたと 僕が君と 経験する、たくさんの「はじめて」。 等身大の言葉が 柔らかい雰囲気で綴られて ひたむきな想いの行く末を 描いていきます。 素敵な作品です。
出会いのときめき
すれ違いの切なさ
離ればなれの寂しさ。
私があなたと
僕が君と
経験する、たくさんの「はじめて」。
等身大の言葉が
柔らかい雰囲気で綴られて
ひたむきな想いの行く末を
描いていきます。
素敵な作品です。
「アイツ」の声、「アイツ」の表情、「アイツ」の気遣い、「アイツ」の笑顔。 みずみずしく綴られる何気ない思い出。 自分の体験ではない、「アイツ」への恋。 でもなぜか懐かしい。 胸に隠した私の切なさが、「私」の言葉に共鳴する。 そんな作品です。
「アイツ」の声、「アイツ」の表情、「アイツ」の気遣い、「アイツ」の笑顔。
みずみずしく綴られる何気ない思い出。
自分の体験ではない、「アイツ」への恋。
でもなぜか懐かしい。
胸に隠した私の切なさが、「私」の言葉に共鳴する。
そんな作品です。
話しかけにくいと同僚に思われるほど、生真面目で地味な「あべちゃん」。
一見ザンネンなくらい脳天気だけど、実はイケメンで部下思いの「課長」。
読みながら、2人のアンバランスな会話にニヤニヤしっぱなしでした。
初めての恋に戸惑うあべちゃんは、課長の一挙手一投足に反応して、うろたえて真っ赤になって。
でも本当に一途で正直で素直!
「大丈夫だよ、絶対、もっともっと幸せになれるよ!」と応援したくなるラストでした。
きっと誰もが共感できる、リアルなココロを描いた作品です。
調子に乗っていた自分への嫌悪。
友達だったはずのあの子たちへの不信。
いちばん理解してほしい母親とのすれ違い。
そんな中で本当の友達に出会い、“好き”の気持ちに戸惑い、小説を書くことで希望を手にする……。
著者様が感じ経験してきた過去が、みずみずしい言葉で綴られています。