弓削 あずきさんのレビュー一覧

★★★★★
2021/01/08 19:37
ネタバレ
みんなと私と優等生




「──有効利用しない手はないじゃん?」



.



似合わない場所に、似つかわしくない格好で、


──なんでいるんだ、優等生。





クラスの優等生は誰、と聞かれたなら、きっと大半は私の名前をあげる。
私の名前をあげないバカは、十中八九彼を──。癪だけど、そう思っていた。

まさか古茶くんが、『古茶くん』じゃなかったなんて。



.



裏の顔、表の顔。
すきのツボをついてくるキャラクターの見た目。性格。思考回路。口調。ちから。
舌入れない派?と煽っちゃうのだって、ボタンを引きちぎろうとするのだって、何もかもがすきで愛です。

世の中のすきがいっぱい詰まった、推しキャラクターと推し作品。
何回も繰り返し読んでほしいな、そしたらきっと、わたしが叫ぶ理由がわかります。



──…

「……物騒だね、優等生」
「お互い様でしょ、優等生」

レビューを見る
★★★★★
2020/08/20 16:38
ネタバレ
夏は残酷



いつも通りセミがうるさくて、いつも通り何匹かのセミが死んでいて、その中の一匹が 「かわいそう」だった。




「ねえ、吉田」
──俺、彼女できた


.


作者さんのえがく生命の話、夏の残酷さ、失恋の感情──すべてがすきです。
6ページ最後の3文がだいすきすぎます。

きっと、この作品を読むことでしか、この感情になれない──そんな想いがうまれます。

タイトルと最後の1文。比べて、さらに、切ない。


夏といったらこの作品を思い出します。

レビューを見る
★★★★★
2020/05/02 13:09
ネタバレ
新しい朝を



――相馬くん
宵闇にも似た瞳を伏せて、まつ毛を揺らして文庫本の文字を追う。

桜が、街を明るく彩って。


――春の向こう側
ふたりが、小説から溢れた愛を唇にのせる。

――春が降る。
彼が、一節を。
それからふたりは、世界を重ねるように紡ぎ、はにかみ。

熱を知る。



溢れ出す物語に触れて、
タイトルに込められた意味を抱きしめて。

そういうことか、と理解をしたら
それはもう、物語の光を感じる合図だと思いました。

タイトル、だいすきです。
読み終えて、あらためてタイトルを見て。

さぁもういちど読もう。

そう思うほど、この作品の虜になりました。



――君の隣で。
優しい光を、優しい色の新しい朝を。

レビューを見る
★★★★★
2020/04/11 23:12
ネタバレ
芦 名 く ん の 隠 し ご と



――おれの“たったひとり”になって

.

「……ふ、真っ赤」
「じゃあ呼んでみてよ、俺の名前」
「……俺がカンタンに野乃に触ってるなんて、思わないでよ」
徐々に明らかになっていく、芦名くんの隠しごと。
そして、余裕のなさ。
芦名くん、すきです。
こんなにかっこいいヒーローが、誰かのために動くなんて……かっこいいの極みすぎて、悶えます。野乃ちゃんの前でだけ見せるいっぱいいっぱいの芦名くんは愛でたくなります、可愛い……!

.

「きっとここで欲張りにならなかったら、わたし、後悔する」
可愛いのにかっこいい野乃ちゃん……!強くて守ってあげたくなる感じで、本当に愛おしいです。

.

――お願い、俺を諦めないで

『 芦 名 く ん の 隠 し ご と 』

熱と、優しい甘さと。
――幸せな温度に溺れます。

レビューを見る
★★★★★
2019/12/10 16:17
ネタバレ
幸せに満たされて。

まず最初に、これを言わせてください。
おなかいっぱいになれます!幸せです!可愛いです!すきです……っ!!

.

伊澤さんの不意の笑みと、ほんわかした微笑みに、撃ち抜かれました。本当、伊澤さんがすきです……。無気力トーン、飄々とした感じ……最高ですっ!!
主人公のテンションの上がり下がりも、とっても可愛くて……テンポよく読めて……虜になりました。

個人的には、危機感が〜のくだりとスケールの大きいひとりごと、本音と建前がとてもすきです。本音にきゅん、建前にクスリ。そして、「温かいのがうまいんで」が本当にいいです!幸せ……!
……というか、もう、ぜんぶすきです……っ。

.

ご飯をテーマに進んでいく物語。
胸の内まであたたかくなれます。また、読んでいる身としてもおなかいっぱいになれます。
だいすきです。

コンビニまでの道も、それからの未来も、ふたりが幸せに満たされますように。

レビューを見る
★★★★★
2019/10/20 14:31
ネタバレ
青くて、痛くて、甘いから


はりねずみ と ハリネズミ。
ハリネズミだから、こんなにも痛そうで。
ハリネズミだから、こんなにもあたたかくて。
ハリネズミだから、こんなにも優しい。
作者さんが“ハリネズミ”と表したこと。それが示す世界の青さ、痛み、甘いあたたかさ。

.

紡がれた文章。なこちゃんからみた世界。
だからこそ、痛みと強さが、読み手の心とまじわる。共感し、涙が目に浮かびます。

.

68ページの文章に、鳥肌がたちました。
空気が変わったことを、実感しました。
68ページの展開だけをみたら、悔しさに涙が浮かぶシーン。だけど、私はストーリー展開ではなく、文章のすっと心に入ってくる様子に感動し、涙しました。
72ページの、情景がはっきりと浮かぶ描写にも、涙が溢れます。

.

痛くて、痛くて。
だけど大丈夫。
君が光をくれたから。

甘くて、甘くて。


――だいすき。

レビューを見る
★★★★★
2019/09/02 17:12
ネタバレ
吸って、吐いて、キミと生きる。

可 愛 す ぎ る
それが第1感想。次に、かっこいい。
かっこつける必要なんかないほど、かっこ悪いところもいっぱい知ってる。
それが、2人。
かっこ悪くても、すき。
それでも、かっこつけてみたいくらい、すき。
その真っ直ぐさが、かっこいい。
焦れったさが、可愛い。

嘘がつけない。努力を続けている。バレー部補欠のイケメン永瀬くん。
彼をすきになって3年。まったく目移りしない一途な篠原ちゃん。
どこを手繰り寄せても可愛いとかっこいい。そこにたどり着きます。
9ページのセリフは、本当に息が止まります。
その後に吸って、吐いて、幸せを感じました。そして、2人がともに生きていく未来を想像し、大きな愛と幸せに包まれました。
10ページの天然永瀬くんも美味しいです。

裏切りが横切った、体育館。
幸せが溢れ続ける、体育館。
2人の恋が、裏切りませんように。

レビューを見る
★★★★★
2019/03/31 15:29
ネタバレ
苦味なんて、

チクチクして、どこか苦くて、そのくせに甘味料のせいで甘いし、不健康だし。
そんな感じで、弓削の天敵のメロンソーダ。

……雨乃めこさんのえがくメロンソーダは激甘でした。
8ページからは、とんでもなく甘い、刺激たっぷりの炭酸がまっていました。
最終的には炭酸の痛みも苦味も消え去って、口の中いっぱいに砂糖をふくんだような甘さになりました。菅原が好きすぎて、挙動不審になりました(笑)
罪な菅原がさらっと口説くところと、板野ちゃんのツンデレにやられます。

許されるのならば、私も“頭よくなりたいから”と理由をつけるのでDNAをくださi((

ドキドキがやまないので、読み始める前と後に、きちんと心拍数をはかることをおすすめします。

レビューを見る
★★★★★
2019/01/03 13:28
ネタバレ
……じゃあ、最後にはなにがくる?

凪瀬高校に通う七海は、奇妙な夢を見る。
必然と運命の狭間で揺れる、不気味な夢。
憑霊から逃げつつ、憑霊の失った“カラダ”を探すという、命を懸けた夢(ゲーム)だった。

……それはどこか、“ナナミ”の“ココロ”と“カラダ”を蝕むような、……。



七海ちゃん頑張って!
私だったら、こんなに強く進めないよ。
たくさんのことを考え、感情移入して読んでいました。
悲しさと悔しさ、そのあとにあらわれる優しさ。
……じゃあ、最後にはなにがくる?



悲しみに揺れるから?
真実を知ろうともがくから?
大切なものが消えていくから?
タイトルの意味を想像し続けていました。
本当の意味を知った瞬間、衝撃が。
壮大なストーリーに仕掛けられた、感情の渦がつくりだすラストに鳥肌が
……ぞわわわわっ!!!

レビューを見る
pagetop