黎明の麒麟ー凌暁と雪蘭の伝説ー

八・九日目 玄武の神事 二日間の沈黙

神事は残りわずかとなり、
参加者の疲労はピークに達しているものの、
聖地には一層の緊張が満ちていた。

八日目と九日目
――それは「玄武の神事」と呼ばれる、
最も厳粛で、最も静寂な二日間。

すべての声は封じられ、
祈りも想いも、
ただ心の内に沈めて捧げねばならない。

男たちは山奥の洞窟に籠もり、
石を磨きながらひたすらに己の罪と向き合う。

また、
女たちは神泉に身を沈め、
清めと再生の祈りを唱える。

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