黎明の麒麟ー凌暁と雪蘭の伝説ー
蓮音の来訪
霜華国・王宮正門。
白金の衣をまとい、
霊風を帯びた蓮音が静かに歩み入った。
従う神官たちの衣の裾がサラサラと揺れ、
場の空気が一瞬で清らかなものへと変わる。
霜華国訪問の表向きの理由はただ一つ。
「麒麟の加護を得た霜華国と国主・凌暁、そして雪蘭への祝意」
けれどその瞳の奥では別の火が燃えていた。
──あの護符。
あれは確かに雪蘭の霊力を狂わせるはず。
どれほど効いているか、確かめなければ。
そしてもう一つ。
──璃月。
“利用価値のある娘”に会わなければ。
蓮音は表情を崩さぬまま、
その冷たい計算を胸にしまった。
白金の衣をまとい、
霊風を帯びた蓮音が静かに歩み入った。
従う神官たちの衣の裾がサラサラと揺れ、
場の空気が一瞬で清らかなものへと変わる。
霜華国訪問の表向きの理由はただ一つ。
「麒麟の加護を得た霜華国と国主・凌暁、そして雪蘭への祝意」
けれどその瞳の奥では別の火が燃えていた。
──あの護符。
あれは確かに雪蘭の霊力を狂わせるはず。
どれほど効いているか、確かめなければ。
そしてもう一つ。
──璃月。
“利用価値のある娘”に会わなければ。
蓮音は表情を崩さぬまま、
その冷たい計算を胸にしまった。