坂野真夢さんのレビュー一覧
ある日、家に突然現れた、その男は死神。
死ぬ運命だった留美だけど、少年の命を救ったという善行を称え、神様が死ぬ前に5つの願いをかなえてくれるという。
自分だったらどういうお願いをするかなーと思いながら読んでいましたが、
この主人公は本当にいい子。最初こそお金を要求していましたが、その後は人のためのものばかり。
そりゃどSの死神さんもほだされないわけないでしょう。
Sだけど優しい死神さんと、留美の掛け合いもまた面白いです。
楽しかったです。ありがとうございました。
総務部で、王子と言われ女性社員に人気の、雅ちゃん。
彼女にかせられたミッションは、研究職のヘタレな御曹司の副社長を、立派な後継者にすること。
ライバルは、彼の腹違いの弟。
持ち前の負けん気で頑張る雅ちゃんに、
ヘタレもどんどん強くなっていきます。
やっぱりお姫様を守るのは、王子の役目ですものね。
そんな笑いあり胸きゅんありのドタバタラブコメです。
ぜひぜひ、男前な主人公を応援しながら読んで下さい。
若き社長とのゲームみたいなやり取りにドキドキしつつ読んでいたら、
あれ、あら?と最後にミスリードさせられたことに気が付きました。
いや、ホントお上手です。
まずは素直に読んでみてください。
最後に違和感を感じたら、二回目を読むとスッキリします。
とても面白かったです。
イケメンホストの彼女が言いました。
「子供ができたの」
しかしその後が他のお話と違います。
「だから出て行って」
なんと、父親候補はもう一人いるという。
しかも、「どっちの子か分からないから、この子は私の子。ふたりとも関係ない」という。
どうなっちゃうの、誰の子なの、と更新を楽しみに読みました。
最初、三人共それほど好きではなかったのに、読み進めるうちに出てくる人間味に、
最後は皆が好きになってしまった。
ほっこり、優しくなれる物語です。
水商売をしていた母を失い、義父の拓真と二人暮らしをしているあず。
あずの前には、いつだって厳しい現実が先にある。
だから、その中での最善を尽くした。
ママが好きだった。だから大人のように頑張った。
でも肝心なことを相談してもらえない。
彼氏の真人を好きになりたかった。でもどこか冷めた自分もいる。
望む現実はあくまで理想。
だけど本能のままに生きるには現実がそれを許さない。
拓真は家族。
それはあずを救って、でも傷つけて。
思春期の少女の切ない成長の物語です。
総務部の華子さんは、お局様。
いつもツンケンしていて人は寄り付かない。
否、よりつかないようにさせているのだ。
なぜなら、華子さんは潔癖症。人に触れないのだから。
そんな華子さんが目撃したのは資料保管室でのモラルのない男・磯村さんと女子社員の密会。
間が悪く居合わせた華子に、意地悪を仕掛けてくる彼との仲が、いつのまにやら変化する。
その変化の過程が見ていて楽しいです。
覗き見している気分で、磯村さんもっと押しちゃえとか華ちゃん意地はらないでとか応援しながら読めちゃいます。
個人的に水瀬さんと葛西さんの行方が気になります(笑)
素敵な物語をありがとうございました。
親が彼氏に会いに来るって言ってるのに、彼氏の浮気が発覚!
でも田舎には帰りたくない!
ってわけで、悩んだ末に頼んだのは彼氏代行。
そこで出会ったミステリアスな彼に、ちょっと惹かれてしまう。
一方、会社でも一悶着あり退職するはめに。
新しい職場で出会った人は……それは運命の出会いだったのかもしれない。
次々と有希に振りかかる難題。
そして山中さんというミステリアスな存在。
勢いと謎に引っ張られるような感じで一気に読みました。
キャラクターも沢山出てきて、それぞれの事情がきちんと書かれています。
若干、最後の方駆け足だったかなという気もしつつ、
しっかり練られたストーリーにお腹いっぱいです。
素敵な物語をありがとうございました。
売れないグラドルと、売れない芸人が出会ったら……。
恋をして励まし合って、少しずつ上を目指して行く二人。
彼の相方も交えての反省会の様子は真剣そのものです。
やがて恋心は複雑に絡み合い、仕事場は女の戦いが巻き起こる。
いやー芸能界って怖い。
って思ったり、でも、夢に向かってる人ってキラキラしてるって思ったり。
色んな気持ちを味わわせてくれる物語です。
いわゆる敵役に当たる人たちが本気でいやーなタイプなので、思う存分嫌いになれました(笑)
小ネタも効いているので、楽しく読みたい方にオススメです。
専業主婦として、生きがいを無くしてただダラダラ時を過ごす里穂。
そんな彼女を変えたのは一通の手紙。
自分を知っている誰かからの、恋文と思えるような手紙は、里穂にキラキラしていた頃の自分を思い出させてくれ……。
凄く丁寧に構成を組まれているお話です。
最初は眉を寄せるような状況の里穂と夫。
最後は涙なしには終われません。
さわりだけ読んでみるつもりが一気読みしました。
素敵なお話をありがとうございます。
記憶をなくして4年。
プロポーズしてくれる彼氏もでき、幸せに向かっていこうとしている多恵。
だけど何故か違和感が拭えない、そんな日々。
彼氏の元同級生がオーナーをしている喫茶店は彼らの行きつけだ。
そんなある日、オーナーの意味深な発言に、多恵の世界は足元から崩されそうになる……
途中から変わっていく世界観に続々しながら読みました。
たった5000文字で味わえるスリル。感服です。
もし可能なら長編で読みたいお話です。
船山さんの心の声に大爆笑でした。
人間は顔じゃない。
性格が大事。
わかっちゃいるけど、その顔に何か言われたら「ハイ」って言っちゃう。
もう理屈じゃありませんね(笑)
その顔に弱い。好きなんだから敵わないのは当たり前。
工藤さんのSっぷりが良かったです(笑)
その後二人はどうなるのか、続きが気になりつつ
楽しませてもらいました。
ありがとうございます。
今作は『たった一つの願いさえ』の続編に当たります。
クリスマス嫌いの意地っ張り女・芽久美とワンコ系男子・充。
いい感じになりそうだった二人のその後は明るい……かと思えば、
芽久美の性格のせいなのか樹という元カレが現れたせいなのか、二人の間は微妙にすれ違っていって、すごくヤキモキさせられました。
なんでそんなに意地はってるの、ってくらい芽久美ちゃんのトラウマは深い。
そういうの全部取り払ってくれたのはやっぱり彼だけで。
でもそんな彼が冷たくなった時は、どうして?とやっぱり彼女に共感して寂しくなり、
最後は正直ホッとしました。
ジレジレ系のラブストーリーです。
ワンコ系の充くんが大好きでした。
念願のカフェをオープンし、以前ちょっとした知り合いだった亜美を誘ってくれた和臣さん。
バニラ一つもこだわりのある彼の為に、亜美はバニラを探しに遠くまで買い出しに行きます。
頑張った亜美ちゃんは立ち眩みを起こして倒れてしまって……。
嫌われてはない、でも気を許してはくれない。
そんな彼との間を変えるきっかけはバニラ。
はたから見てると分かりやすいのに、いつまでももじもじしている二人にものすごくジレジレさせられました。
でも最後にほんのり幸せ気分。
甘いバニラの香りが似合うお話でした。
電車の運転士を夢見る陽香里は、なかなか希望通りの職種につけないものの、企画制作室でやりがいをみつけはじめる。
素敵な上司と、仕事には熱い先輩。そして、偶然電車で出会った駅員さん。
三人の男性に振り回されながらも、自分が誰を見つめているのか、そして仕事に対してどうむかっていきたいのかを見出していく物語。
女として自分からは告白したくない、という感覚の持ち主である主人公は、
とにかく自分の気持を見つめるのがヘタです。
時にこっちがイライラしてしまうほど受動的。
しかし、時に強引に迫ってくる橘さんに、ようやく自分の気持ちがはっきりしてきます。
そういう意味でも、彼女にあった人を選んだなぁと感じました。
一番輝いていた頃の彼女を知っている彼だからこそ、これからも彼女の本音をひきだしていってくれるのでは、と思いました。
爽やかな物語です。
あまり語るとネタバレになってしまうのでサラリと書きますが。 まず途中で世界感にオヤと首を傾げ、 しかしてその世界の主人公にはいりこんでいくと、彼女の戸惑いにすっかり協調してしまい、 100Pを過ぎた辺りからは先が気になって一気読みしました。 前半・後半で主人公を切り替えていくことで、一人称なにラストには疑問点無くすっきりできました。 奈月の「やっぱりこの気持ちは私の本心なんだ」って言葉に、道が開けた感じがしました。 愁夜のしたことの是非を問うことは出来ませんが、この世界では最上級のラストを迎えたと思います。 とにかく、読み出したらのめり込んでしまい、ラストを知った後でまた何度か読み返したくなる物語です。 私も、二周目は書籍で読みたいと思います。 素敵な物語をありがとうございます。
あまり語るとネタバレになってしまうのでサラリと書きますが。
まず途中で世界感にオヤと首を傾げ、
しかしてその世界の主人公にはいりこんでいくと、彼女の戸惑いにすっかり協調してしまい、
100Pを過ぎた辺りからは先が気になって一気読みしました。
前半・後半で主人公を切り替えていくことで、一人称なにラストには疑問点無くすっきりできました。
奈月の「やっぱりこの気持ちは私の本心なんだ」って言葉に、道が開けた感じがしました。
愁夜のしたことの是非を問うことは出来ませんが、この世界では最上級のラストを迎えたと思います。
とにかく、読み出したらのめり込んでしまい、ラストを知った後でまた何度か読み返したくなる物語です。
私も、二周目は書籍で読みたいと思います。
素敵な物語をありがとうございます。
人生に諦めを覚えた40代の男が、猫を連れた不思議な女性と出会う。
なんとなく気が合い一緒に暮らしてみるも、彼女の過去は深くは知らない。
それは話さないから。
無気力な男の恋愛譚かと思えばそうではなく、その後弟の電話によりサスペンス要素が盛り込まれていきます。
一転、二転する展開にあっという間にページをめくってしまいました。
そして最後は、ほっこりとするラストシーン。
20Pというページ数でガッツリ楽しませてもらいました。
お勧めです。
社会の歯車の一つになることに依存のない主人公・瑞季と、
うまく部品には慣れず、独創的な道を歩む彼氏・拓史。
私が瑞季の友人だったなら、
「あんな男とは別れて正解。将来のことを考えなよ」
って言うだろうと思いました。
だけど、読み進めていくとどうしても瑞季を応援したくなってしまう。
そのくらい、この作品の中には、彼への“好き”が溢れてる。
いい男とかデキる男とか、そういうの超越してただ好きなんだなぁと感じます。
結婚には生活力が必要。だけどやっぱり愛が無くちゃ!
そんな風に感じさせてくれる恋愛物語です。
オススメですよ。
ファッションビルの占いスペースで働く美菜は人気占い師。
しかしてその実際は占いなんて出来ないただのメンタリスト。
それでも、お金は必要だしねぇと自分に矛盾を感じつつ仕事を続ける毎日。
そんなある日、事件が発生し、鋭い観察眼をもつ刑事がやってきて……。
小ネタがたくさんあって、あまり深く考えずにプッと笑えます。
主軸である刑事との恋は、脇役が目立ちすぎてて個人的にはあまり感情移入出来なかったかも。
脇役たちとの会話の中には、サラリと書かれていつつも実は深いな……と感じる言葉がたくさんあって、
私的には名言探しが楽しかったです。
サンドイッチ占いの凛子さんが好きでした。
小ネタ大好きな方にオススメの作品です。
改札を出てからの風景描写がとても丁寧でした。 それは多分、主人公にとってこの駅からの景色が特別だから。 街の景色が、思い起こさせる記憶。 そうして彼が現れる。 全体的にほのぼのとした温かく優しい物語です。 クリスマスの音楽のバックに流れるイメージ映像を見ているような気分になりました。 心温まりたい方にお勧めです。
改札を出てからの風景描写がとても丁寧でした。
それは多分、主人公にとってこの駅からの景色が特別だから。
街の景色が、思い起こさせる記憶。
そうして彼が現れる。
全体的にほのぼのとした温かく優しい物語です。
クリスマスの音楽のバックに流れるイメージ映像を見ているような気分になりました。
心温まりたい方にお勧めです。
描写がとても綺麗な作品です。
日常にありそうな風景が丁寧に切り出されていて、
彼女の優しさとか、彼が振り向くまでのドキドキとか、
短いページの中でもしっかり伝わってきました。
雨の日にこんな出会いがあるかも。
そう思うと雨の日も好きになれそうです。