夢に向かって突き進める時間は無限のはず。でも、実際は大人になるにつれて、その夢を諦める人は多い。
この作品は、そんな現実にある葛藤と周囲の反応も織り交ぜながら、前向きに進んでいく。

ある日、偶然出会った二人。再会は偽りの姿で――…
それがより一層の葛藤を生み出し、恋を複雑にしていく。
夢を追い求める大人の女性。そして、実はそんな彼女を温かい目で想い続ける男性。
最後の最後まで、素敵な二人のドラマチックな展開にドキドキさせられっぱなしでした。

苦手としていた上司。そんな彼が目の前に現れたのは、お見合いの席だった。
恋愛を諦めていた主人公は、心配していた両親によってむりやりお見合いに連れてこられる。親の顔を立てるということで、渋々出席した彼女だけど、断るはずのそのお見合いはなぜかおかしな方向へと向かっていき。
断ってそれで終わりと思っていたのに、その相手が自分が苦手としていた上司だということから、そう簡単にはいかない。それどころか、これをきっかけに彼の外側だけではなく内側にも触れることとなり、優しさや真剣さを知っていくこととなる。
恋を諦めている彼女。そんな彼女のことを知りながらも、深い想いで彼女を包み込む彼。
不器用だからこそ、彼の彼女に対しての優しさや想いの深さが胸に伝わってきました。

たった一度だけの関係。
そして、たった一度だけのきっかけ。
その二つが重なり、終わるはずだった関係はなぜか繋がっていく。

お互いに少しは気になる存在だった。そういうことは世間一般でも多い。だけど、そこから進展するかは、きっかけが大切なのだとこのストーリーを読んで気づかされました。
最初が最初だから、不器用な二人の関係ですが、ゆっくりと近づいていく距離感は読んでいてもドキドキさせられました。

読みながら、言葉の言い回しや行動がすごく綺麗で、その中にほんの少しの軽い謎のようなものが含まれており、読んでいて楽しかったです。
あこがれの人のために、お弁当を作ったり、ご飯を作ったりとするのだけど、それはアプローチの一つだったり、出張の変更の陰謀が実は――…
だったりと、「んん？」と思うことがたくさんあって読んでいて面白かったです。

一本筋の通ったかっこいい女性だと思いました。
恋愛にまったく目を向けることもなく、まっすぐに仕事に打ち込んだ彼女。その彼女のその裏にはきちんと隠されたわけがあり、そして、そんな彼女にある日を境にまとわりつく男。
二人の男がまとわりつきながらも、もう一人はとんでもなく情けない男なだけに、彼がかっこよく映って仕方なかったです。そして、仕事ができる男とすぐに会えるわけではない距離の中でのアプローチがスマートでかっこよかったです。

過去の恋愛から、かっこいい人に興味を持てない主人公。そんな彼女は真面目な人間。だけど、そんな彼女が任された仕事の一つに、環境改善を目的とした産業医との仕事がある。その相手の産業医こそ、自分の苦手な人種。
いやいやながら仕事と割り切り付き合っていくうちに、彼の仕事に対する真摯な姿勢が見えてきて―――…

とにかく、主人公が真面目で一本筋が通ったような人間でした。自分が間違っていたと気づくと、すぐに素直に謝罪。それって、簡単なようでなかなかできない。
途中の同僚の女の子の、恋に対する考えがすごくかっこよくて、話の流れ的にあまり好きではなかったのですが、このあたりからこの女の子を見る目が変わりました。
そして、これも主人公の考えを覆すことに大切な役割があるというのがわかり、すごくストーリーが考えられているな…と思いました。

これまでの経験から、心に傷を持った主人公は男性恐怖症。そんな彼女にさりげなく手を差し伸べてくれたのは綺麗な大人の女性。
そんな彼女に助けられながら生きていた主人公。だけど、ある日、彼女の真実を知ってしまい―――…

ありそうな展開と設定なのに、お互いがお互いを大切に想い、ゆっくりと紡がれるストーリーはすごく丁寧で読んでいてもほんわかしてきます。
当初は戸惑いながらも、気持ちを押し付けることもなく、だけど、気持ちを伝えてくれるナオ。それは、外見とは違い、ヘタレな彼だからこその優しさと慎重さ。でも、それが主人公にはとてもよくて、話の中で『波長が合っている』と言われていることに納得できました。
そんな二人だからこそ、お互いに必要だったのではないかと思います。
ゆったりと、だけど、一生懸命に進んでいく恋のお話です。

後ろ向きな女子が、先輩のアドバイスをもとに一冊の本を与えられたことにより、一歩踏み出そうとする。
それはあるきっかけ。だけど、そのきっかけと先輩の後押しにより、少し自分を変えようとする。
元来まじめな性格の主人公は、前向きになろうとするものの、すべてに捉えられてるわけではなく、恋は恋、仕事は仕事と、しっかりとした感じで、恋愛にのめりこむという感じではありません。
だからこそ、とても好感が持てました。
そして、一歩踏み出しながらもそのことに前向きになるだけではなく、慎重すぎる性格か悩みながら変わっていく姿。
恋に前向きになろうとしながら、それでも一人悩みながら自問自答しつつ、ゆっくりとこわごわ変わっていく姿がとても可愛らしかったです。

正直に言うと、思っていたお話とは違っていました。
溺愛されている旦那様とのギャップがありながらも、現在の恋愛のお話だと思っていました。だけど、実際は違っていて、現在進行でストーリーは続いていきますが、二人の馴れ初めから、なぜ今このような関係に至ったかが詳しく丁寧に描かれており、始まりから現在の話が半分ぐらいしめます。
それが波乱万丈なストーリーではなく、ゆったりとほのぼのとしたストーリーへと続いていきます。
作者さんの力量ならではの、さすがというしかない綺麗な文章表現。何も違和感も全くなく読むことができ、ストーリーにも入り込めます。
思っていた波乱はないけど、それでも、大満足させてくれる素敵な作品でした。

大女優の祖母、そして、人気絶頂の女優を妹に持つ主人公。そんな彼女は昔から、コンプレックスを持っていた。それは、諦め受け入れることで自分自身で乗り越えてきた。
そんな中、突然、祖母の願いによりお見合いをすることとなる。

初めに出会った印象は最悪。それからいい方向へと進むようには見えない関係。だけど、諦める性格とそれと同時に受け入れる性格が相まって、それはどんどんとなぜか二人の関係が深まっていく。
自分では乗り越えていたと思っていたコンプレックス。だけど、心の奥底では消えていないその種。その種を超えるような深い愛。そして、そこに願いをかけた祖母の温かい想い。
読み終わった後にすごく温かくなる作品でした。

小さい頃、突然現れて消えてしまった幼なじみ。そんな彼との突然の再会。それは、主人公を今までには考えられないほどの世界へと連れて行って。

突然の再会。だけど、それは甘いだけではなく、少しずつ見え隠れする暗い影。
読み始めた当初は、シンデレラストーリーのように見えたのですが、それだけではなく、過去から残る陰謀などストーリーの中に含まれるものは、軽いものではありませんでした。ただのラブストーリーではなく、過去がもたらす今の弊害など、すごく丁寧に書かれており、すごくストーリーに入り込める作品でした。

仕事に一生懸命。だけど、これまでの恋愛経験の乏しさからか恋に不器用な主人公。それは、経験値の低さから相手のアプローチさえもわからない鈍感ぶり。そして、そんな彼女を見ながら、ひそかに気にかける社長。
身勝手な彼氏からの別れから、一人試写室で映画を見ていたその時から二人の関係は動き出していく。
読んでいると、社長のところどころの彼女への想いが見え隠れしている。でも、それには気づかない主人公。それが読んでいるこちらからしたら、ツボでした。
主人公は社長の気持ちが見えずに戸惑っているのだけど、こちらからはその心情は丸わかり。だから、安心して読めていました。
そして、実は社長に振り回されていると思っている主人公だけど、実際は自分が社長を振り回しているという――…
温かくて切なくて、だけど、ドキドキさせられる甘酸っぱい大人のラブストーリーでした。

恋のアプローチを受けながら、そこは気づかないフリ。
―――というか、気づきつつありながらも、そこには裏があるのでは―と自分で疑いを生じさせ自分の都合のいい考えを押さえつける主人公。
そんな彼女に実は一直線に、時には少し回りくどくアプローチする彼。ナシのつぶてのような対応にもめげずに、アプローチを続ける。そこには一途さも存在していて。
一見、恋の駆け引きなのかな？と思いながらも、そこにはただ一途な想いだけであって、それが彼の持つ性格により恋の駆け引きのようにも見える。
オフィスラブの要素もふんだんに盛り込まれたすごく素敵な作品でした。

ナナヲさんでないと、こういった雰囲気の二人の関係というものは書けないのではないかと思います。一般的になりそうな…、だけど、少し独特とも言える関係性の二人。そんな大人な二人の関係は、結婚ということで近づきながらも、遠くにある。
ただ、結婚したからというのではなく、その前からある二人の関係性。そして、仕事を通しての大人の一筋縄ではいかない恋愛模様。
絡まるたくさんの事柄がさりげなく書かれてながらも複雑で――…
この独特な世界観は作者ならではと言えると思います。
大人のかっこいいストーリーだと思いました。

仕事を通して知り合った副社長。
仕事に重きを置いている主人公は、そんな副社長からアプローチを受け…

この作者さんの傾向なのか、実は恋の成就はかなり前半部分でかなってしまい、その先の付き合っていく中での試練というものにストーリーの重点を置いています。
だから、もっと先まで関係がはっきりしないのかと思っていたので拍子抜けでした。だからこそ、この先の長いページ数の中にはいろいろと問題が出てくるのだろうな…という予想は当たっており、付き合ってからは、いろいろな試練にぶつかっていきます。
それが、すごく切なかったです。特に、副社長の煮え切れない態度がところどころ出てきて、それがより一層不安を募って、ちょっとイライラしてしまいました。
序盤から、積極的にアプローチしておきながら、「えっ！？」という感じで。
とにかく、ハラハラの連続でした。

仕事運のない主人公は、あることがきっかけでスカウトされる。
そこは、自分とは違う世界であり、みんなが憧れている世界だと思われていた場所。そこで、一生懸命に前向きに進んでいく主人公。そんな彼女が健気でありながら、真面目に取り組みながらも、いろいろな難題にぶつかりながらもそのたびに悩みながらも突き進んでいく姿はとても素敵でした。
また、御曹司も、そんな彼女を甘やかすだけではなく、さりげなく優しさを見せながらも、仕事に関しては厳しく、また、その先を自分で考えさせるように主人公を成長させるような大人な対応を…。ただ、甘いだけではなく、こうしたきちんとした姿勢が逆に大人の恋愛としてすごく素敵に感じました。
ただのラブストーリーだけではなく、主人公が成長していくストーリーも含まれた素敵な作品でした。

自分でも、どうしてこうなったのかもわからない相手。
だけど、そんな彼になぜか疑問に思いながらも惹かれていき、また、彼からもなぜか好意を寄せられている様子。
一つ一つのことに疑問を浮かべながらも、ゆっくりと進んでいく恋愛模様。
そして、実は――…な最後でわかる事実。
ロマンチックとは程遠いけど、身近に感じるラブストーリーでした。

本当に一途な想いのストーリーだと思いました。
それも、男性のほうが一途というのがとても私的には好みの作品で、それでいてストーリーの中に微かに見え隠れする不器用さ。
それが読んでいてとても楽しいし、にまにましてしまいました。
とても好きな作品です。

恋の始まりを丁寧に書かれた作品。
戸惑いながらも、惹かれていく想いの先にある同僚だからというプライドや意地。
それが、素直になれない心も映し出し、ちょっと不器用な展開が続く。
読んでいるこちらからしたら、二人の想いは丸わかりなのだけど、当事者はそうではなく――…
不器用な展開の中に、それでも少しずつ動き出していく恋の行方が読んでいてすごくほんわかしてくる。
オフィスラブということで、大人のラブストーリーなのだけど、青春真っ盛りのピュアさもふんだんに含まれているストーリーで、ほんわかした気分にさせてくれました。

幼馴染だから。そして、幼馴染だからこそ、近すぎてわからない気持ち。
できすぎた幼馴染。そんな幼馴染に昔振られた過去を持つ主人公。だけど、幼馴染だからこそ、その後も幼馴染の関係は続き――…
短編だからすっと読めたことと、男性目線のストーリーも書かれていたことによりその気持ちもよくわかりました。
安心して読める作品でした。