紅 憐さんのレビュー一覧
すごく、強く、なってる。
彼、火を操る。
すごい、それはすごい、力。圧倒的だと思う。
話せない女の子、自分の意思を、持ってる。
大丈夫。
忘れてない。
私は……がんばってほしいと思う。
なにかはわからない。なぜかはわからない。
けれど、女の子、生きてる。ななみ、お前、生きてる。
どう、するの?
彼と、彼女と、少女とは、どう、するの?
炎と意思が通じ合う。
そんなことを、私は祈りたい。
大丈夫。
きっと、彼がお前を守ってくれる。
生きて。
憐「ちょっ紅さん、人様の作品に対してよだれはないでしょよだれは」 紅「いやいや憐さん、だってのたおファンにはたまらんのですよ、これはっ」 憐「というと?」 紅「いいですか? のたおさんの描く魔女メグ、そこに加わる一般人……このやり取りは巻き込まれる型のファンタジーではまさしく醍醐味!」 憐「ふんふむ」 紅「そこになんと、のたおさんの作品で高い人気を誇ってるだろう、戦乙女と自由騎士が競演するんですよ! もう、両方読んでるファンには辛抱たまりませんっ」 憐「なるほど、それでも紅さん、人様の作品に対してよだれはいけませんよだれは」 紅「それだけ好きなのっ! 憐さんもそんな冷静な態度じゃなく、もっとこうほら!」 憐「と、紅さんも垂涎ものです」 紅「ほんっと痺れるんだから!」 憐「紅さんうるさい」 紅「それだけおもしろいのっ!」
憐「ちょっ紅さん、人様の作品に対してよだれはないでしょよだれは」
紅「いやいや憐さん、だってのたおファンにはたまらんのですよ、これはっ」
憐「というと?」
紅「いいですか? のたおさんの描く魔女メグ、そこに加わる一般人……このやり取りは巻き込まれる型のファンタジーではまさしく醍醐味!」
憐「ふんふむ」
紅「そこになんと、のたおさんの作品で高い人気を誇ってるだろう、戦乙女と自由騎士が競演するんですよ! もう、両方読んでるファンには辛抱たまりませんっ」
憐「なるほど、それでも紅さん、人様の作品に対してよだれはいけませんよだれは」
紅「それだけ好きなのっ! 憐さんもそんな冷静な態度じゃなく、もっとこうほら!」
憐「と、紅さんも垂涎ものです」
紅「ほんっと痺れるんだから!」
憐「紅さんうるさい」
紅「それだけおもしろいのっ!」
すごいすごいわ素敵だわ! 唸るモーター! 光るビーム! 煌めく巨大太刀に装甲! 重厚でなめらかで巨大な機体! ああっ、機械の塊なのよ、塊なのよあれ! 出力もさることながら、人型を高速で飛行させるっていう技術!ああんっ、も、ダメ……あのスラスターの音……しびれちゃう! 解析したい分解したい理解したい組み立てたい私のものにしたい…… やん、ダメよ私、しっかりして……まずは開発者にコンタクトを取って、縛り上げて、技術主任と交渉しなくちゃ…… うふふ、ああっ、いいわいいわ素敵だわっ。17メートルもあるロボットだなんて……もぉう、ぞくぞくしちゃう…… ロマンよね、ロマンよねこれって……!!
すごいすごいわ素敵だわ!
唸るモーター!
光るビーム!
煌めく巨大太刀に装甲!
重厚でなめらかで巨大な機体!
ああっ、機械の塊なのよ、塊なのよあれ!
出力もさることながら、人型を高速で飛行させるっていう技術!ああんっ、も、ダメ……あのスラスターの音……しびれちゃう!
解析したい分解したい理解したい組み立てたい私のものにしたい……
やん、ダメよ私、しっかりして……まずは開発者にコンタクトを取って、縛り上げて、技術主任と交渉しなくちゃ……
うふふ、ああっ、いいわいいわ素敵だわっ。17メートルもあるロボットだなんて……もぉう、ぞくぞくしちゃう……
ロマンよね、ロマンよねこれって……!!
がちゃ ひょろ~ ずずず ぷは こんこん がちゃ ぺこ ぺこり ふむふむ おー タッタッタッ ぼき タッタッタッ べき えっくしゅん ぽき ぐは …… ぐーぐー チュンチュン おー わあー カーン カンカンカン! ぎゃー しくしく ダダダダ ひょろ~ ずずず ふ…… こんこん がちゃ ぺこ ぺこり おー んー ポンッ しゃき とう ぼき ぎゃー ブチッ ぺこぺこ しくしく ちゃりん しくしく ダダダダ ひょろ~ しくしく しくしく (笑えます)
がちゃ
ひょろ~
ずずず
ぷは
こんこん
がちゃ
ぺこ
ぺこり
ふむふむ
おー
タッタッタッ
ぼき
タッタッタッ
べき
えっくしゅん
ぽき
ぐは
……
ぐーぐー
チュンチュン
おー
わあー
カーン
カンカンカン!
ぎゃー
しくしく
ダダダダ
ひょろ~
ずずず
ふ……
こんこん
がちゃ
ぺこ
ぺこり
おー
んー
ポンッ
しゃき
とう
ぼき
ぎゃー
ブチッ
ぺこぺこ
しくしく
ちゃりん
しくしく
ダダダダ
ひょろ~
しくしく
しくしく
(笑えます)
西の地果てさえ響くはかの尊称。
戦乱駆ける鎧の勇姿、銀髪可憐な乙女をご存知ありましょうか。
あれやこれはご存知ないと?
ならばこんにち語りましょう。
祝宴華美な彩飾に、この道化は言葉を継ぎ継ぎ広めましょう。
戦乱鎮めしかの勇猛。魅了せんほどの剣腕はまさしく戦に舞い降りた女神かな。
無論傍ら従うは、紅い外套翻し、皮肉な笑みを浮かべた男。
身の丈超えん槍を手に、乙女と二人ある荘厳。
お時間許されますならば、ひとりふたりお立ち合い、この物語をご覧あれ。
語りは四つ、世界はひとつ。私が語るは最終逸話。
舞台はひとつの大陸なりて、激しくぶつからん東と西の大勢力。
思いと言葉を剣に槍に、ふたりのもののふ疾駆せん。
騎士武士御仁貴族なれ、その心意気に打たれましょう。
さあさみなさまお立ち合い、そうそうたる二大英雄がここに語られん。
まったくもって胡散臭ぇように聞こえる超能力だが、これには先天的なものと後天的なものがある。
中には、超能力者の力を目の当たりにした際に脳が同調するゲラリーニっつぅもんがあるんだが、まあコイツは能力が短期間のうちに喪失する。
問題なのは先天的な能力や、潜在意識下にれっきとした力を蓄えてる連中な。こういうのが覚醒しちまうと、そりゃあもう魔術師やら魔法使いやらは泣きを見るっきゃない。
ところで魔術と魔法が異なるみたいに超能力もいくつか種類があるんだが、今回の小山田の発火能力――ファイアスターターとかパイロキネシスとか呼ばれるもんはPKって分類な。逆に黛の力は感知能力ESPってわけだ。
小山田のコイツぁ厄介で、魔法使いがしこたま下準備したり、魔術師がやたら公式組む間に超常を起こしちまう。
まったくもって本当に……超能力なんて厄介に過ぎる。
その日、黒猫は白猫を捕まえました。
白猫が最近、連続でとある人間のところへ足を運んでいるのを耳にしたからです。
隣のペルシャは「ご主人さまができたんじゃない?」と笑み、路地の三毛は「うんめぇご飯もらえんじゃねぇの?」とよだれを垂らしていました。
が、黒猫は、白猫がそんなことで人間のところ通っているのではないと、知っていました。
「今日もあの人間のとこへ行くのかい?」
白猫は、どこかさみしげにうなずくだけで、はっきりとは答えませんでした。
その口には、赤い木の実が。
黒猫は白猫が、どうしてそんなにあの人間に尽くすのか、わかりませんでした。
どうしてそんなにやつれながら、人間のもとへいくのか。
ふと黒猫は、自分も白猫に優しくしてもらったのを思い出しました。
白猫を見送りながら、黒猫はなきました。
「君は優しすぎるよ」
私だってあるのですが、急に人恋しくなってしまう時は、だれにだって当てはまると思うのです。
ああわかっているけれど、たとえば夜中の三時なんて時間に起きて、それでも急に彼に逢いたくなってしまった時などどうしましょうか。
いけないいけない。中毒症状。私、アナタにベタボレよ?
いけないいけない。禁断症状。さっさと渇きを癒さなくては。
私の欲望は天下一品。アナタのためならなんだって。
ううん実は私のためよ、欲望まみれの私なの。
そのぬくもりを独占するための中毒症状、アナタの存在がほしいの禁断症状。
どうかどうぞ私にアナタをくださいませ。
今日これからすぐに行きますから。
この渇きを癒させてくださいな。
彼女のことを大好きな僕がいて、その僕がずるいアプローチを彼女にしたとして、彼女はそれで僕にどう答えると思う?
僕の親友に恋した彼女がいて、その仲を僕が取り持ったとして、彼女が僕に対してなんらかの特別感情を抱くと思う?
アイツも彼女を好きだとして、僕のお陰で両想いになれたとして、それで僕のなにかが満たされると思う?
長い髪が好きなアイツのために髪を伸ばしていた君がそれを切ったとして、それは果たして彼女の気まぐれなのか、それとも思わぬ展望か、どう思う?
彼女が髪を切りました。
その理由を考えてもいいかな?
僕の、希望を織り混ぜて。
振り返る
高みの上を
胸宿し
かの人の声
夢幻に求む
白鷺よ
どうか鳴いては
くれまいか
鳴いて泣いては
我が身の代わり
今夏こそ
共にありたく
願おうと
決してあなた
招いてくれず
引き締める
帯の心根
幾線条
弱さ忘れた
朝顔も知る
来夏また
訪れること
許されよ
潤い欲す
花を手に身に
さあさ、お立ち会い。
これにご覧入れまするは、かの大国を一つ二つ、果ては三つまでも滅ぼしたと噂される魔槍にございます。
いやいや噂は留まらず、あるいは四つ、いやそれ以上の国を滅亡に追い込めたとされるこの槍は、未だ持ち主定まらず浮浪の得物にありました。
いやさいやさ、わたくしめは思い立ち、かの噂を耳に信じて訪れたるは女神国。
戦乙女の誉れ高い、かの国ならばいかがとな。よもや魔槍の呪いも弾かれる。期待抱きて参った次第。
どうかどうぞこの魔槍、貴国に納めてはもらえませぬか。
もはや恐ろしゅうて敵いませぬ。死神の刃が光っておるかと思えこそ、わたくしめには重い魔槍。
どうかどうぞ女神国、戦乙女が持ちてはくださいませぬでしょうか。
思い頼んで、報われる。
わたくしめは、ほくそ笑み。
してやったりとほくそ笑み。
「ダブルハンバーガーセットでポテトはLサイズ、コーラに、単品チーズバーガーとハンバーガー、アップルパイで!」
ドカドカ注文してきた彼女は、トドのような女の子。
……いや。
トドが女の子になったみたいなデ……ごほんごほん。
あ。彼女といつも一緒にいるの友達が、デ……じゃなくて、こう呼んでたね。
一二三ちゃん。
かしこまりましたー、と私は営業スマイル……レジを打つ。
苦笑しっぱなしだけど……仕方ないよね、だってトドだもん、一二三ちゃん。
が
が!
が!!
事件が起きた。
なんとまぁ、しばらくお店に来ないと思えば、一二三ちゃんは全力ダイエットに勤しんでいた。
え?
え!
ええっ!?
おったまげ~。
夏を迎えた頃には、一二三ちゃんは信じらんないスレンダー美女にっ。
なななっ、なにがあったの、一二三ちゃん!?
私はヴィンスに怒鳴った。
「なんで、なんでユーリは!?」
「仕方ないだろ……それが、彼女のやりたいことで、ずっと計画されてたんだから」
「でも、だからって……だからってアナタを置いて!」
「ああ。俺じゃ、ダメだったんだよ……アイツの心を、地上に留められなかった」
ヴィンスは、嘆きの表情を失笑に隠した。
星の煌めきを見上げる。
半身を空の彼方へ奪われた彼女は、もういない。
なのに、彼女は彼の心を奪っていった。
初めから、始めから……ユーリはヴィンスの心を。
今は翼を広げ、どこかへと。
青白い星は、イカロスの粒子だろうか。
悲嘆するヴィンスの、隠された涙だろうか。
私にはわからない。わからないが……
翌日、ユーリとイカロスの追撃命令が私へ下った時、私は、笑っていた。
to ヴィンスを置き去りにした……ユーリへ。
いきなりなんだろうと目を丸くする私に、彼は言った。
「お前は逃げないな」
「は?」
その言葉さえいきなり過ぎる。
なに?と訊ねると、彼はある一点を指差した。
中庭に座っている一組のカップルが、ちょうど目に入る。
穏やかな雰囲気の二人には、なぜか微妙な距離があった。
「あそこの女、男に触られるのがダメらしい」
ふーん?
「いつも間が空いてんだ」
ふーん。
悪い空気なんてまったくないのに、彼のほうが少し近づく気配を見せると、彼女はびくついていた。
「トラウマってのかなぁ」
と彼に言う。
「ま、私が逃げる逃げないは、アンタにかかってると思うな」
「ん?」
「つまりアンタの手の使い方次第なわけ」
そしてひとつお願いした。
「もっかい撫でて。さっきの気持ちよかったから」
彼は、苦笑した。
また聞こえた窓を開ける音に、私ははたと顔をあげた。
アパートの隣室に住んでる男の人は、なぜだか日に数回、窓を開け閉めする。
換気……じゃないみたいだ。
開けて、またすぐに閉めているから。
ガラリ。
ほら、もう閉めた。
窓の外になにかあるのだろうか?
彼の部屋の間取りじゃ、二つある窓のひとつは目の前がマンションのはずだけど……
ガラリ――にゃあ、にゃあ――
猫?
また窓が開いて、今度は猫の鳴き声が聞こえる。
猫と、窓と……
それだけなのかな?
壁の向こう、横たわっている無関係の空気に、私はわざわざ探りを入れる。
ガラリ。
彼が毎日窓を開け閉めするのは、どうして?
それはたぶん、窓の向こうで待っている猫と。
真向かいのマンションの人が、知ってるかもしれない。
ある時、とある大国が戦をしていると聞いた。
軍勢二十五万、うち二百名の精鋭を抱える大国が、しかし敗戦を幾度と味わわせられているという。
それも、五万ほどの、小国に。
興味から、私は戦の土地を見に行った。
そこで見たのは、鮮烈な美しさを誇る、少女の姿。
風聞で戦乙女と聞いたが、まさにその通りだった。
と、戦乙女の傍らに、風を見つけた。
真紅の、猛々しい男だ。
戦乙女と紅――二人の力が、数を押していた。
その勇猛さたるや、武神というべきか。
オォォォォオ――!!
士気を高く保つ兵らの雄叫びが、地鳴りを思わせる。
不謹慎かもしれない。
しかし、二人の存在感に私はぞくりとし、いっそすばらしいとさえ思った。
それからしばらくして――私は小国と大国の戦が終結したと聞いた。
結果は……聞くまでもなかった。
天気のいい、晩夏のこと。
突然、そんな声だか音だかが響いた。
田んぼと田んぼの間、畦道を歩いていた私は、向こうから迫り来る現象に息を――
「わぁ!?」
飲んでいる間に、襲われてしまった。
まるで壁のように降る、お天気雨。
「なに――!?」
嘆いても、雨は凄まじい。
今日は厄日?
そんなことを思った私は向こうの砂利道に、自転車で奔走している男の子を見た。
雨の中、傘を差してすごく急いで……て、あ、なんか自転車がパンクした!?
うわ、チェーンが壊れた!?
ほ、本物の厄日って彼だなぁ……
思いながら、自転車を押し押し急ぐ彼を見送った。
すると――ケーン――また聞こえた音ともに、雨がやんでいく。
いや違う。
雨が、彼についていった……?
なんだろう。
夏の日、それはちょっぴりの不思議だった。
私はいたずら好きである。 だから、初対面の人にもいたずらしてしまう。 たとえば、よく冷えた缶ジュースを、ベンチの青年のほっぺたへ、いきなり押し当てるとか。 悲鳴をあげた青年が、なんなんですか、という目で私を見た。 言ってやった。 「驚いた?」 そりゃあ驚きますよ、と返ってきた。 「今まで、こういういたずら、されたことないの?」 ありますけど……と返ってきた。 私はにっこりする。 「不思議だよねぇ、初めてじゃないのに、初めてみたくびっくりしちゃう。これって、何気にすごくない?」 彼が目をぱちくり。 「初めてのって、忘れちゃもったいないよね。こんな風に、いつだって初めてみたく感じられたら……いいよね?」 青年は静かに、そうですね、とうなずいた。 初めての気持ち……それってたぶん、目がさめるくらい、素敵なもの。
私はいたずら好きである。
だから、初対面の人にもいたずらしてしまう。
たとえば、よく冷えた缶ジュースを、ベンチの青年のほっぺたへ、いきなり押し当てるとか。
悲鳴をあげた青年が、なんなんですか、という目で私を見た。
言ってやった。
「驚いた?」
そりゃあ驚きますよ、と返ってきた。
「今まで、こういういたずら、されたことないの?」
ありますけど……と返ってきた。
私はにっこりする。
「不思議だよねぇ、初めてじゃないのに、初めてみたくびっくりしちゃう。これって、何気にすごくない?」
彼が目をぱちくり。
「初めてのって、忘れちゃもったいないよね。こんな風に、いつだって初めてみたく感じられたら……いいよね?」
青年は静かに、そうですね、とうなずいた。
初めての気持ち……それってたぶん、目がさめるくらい、素敵なもの。
歩き疲れて足が痛くなって――私は少しやさぐれていた。
そんな日のこと、線路を大きく跨ぐ橋の上で、女性と出会った。
だれかと待ち合わせなんだろうか、欄干に手をついてボウッとしている。
その視線を辿ると、とてもとても綺麗な月が出ていた。
「綺麗過ぎて妖しい月ですよね」
思わず口をついた。
女性が、えっ、と振り返る。
その人は、なんだか、まさに月光美人という感じだった。
だけど、どこか宙に浮いた目をしていた。
なにか、思い詰めてそうだった。
危ない目だ。
だけど、私になにができるだろう。彼女はなにかありそうだけど、私には……
女性が私を、変な目で見る。
たまらず、私はそそくさと通りすぎてしまった。
と、ちょうど向かいから、男性が歩いて来た。
私はその瞬間、心の中で、彼に託した。
彼女を……救って。
グラスが空いてしまったので、私はマスターにお代わりを頼んだ。
ちょうどその時、向こうの席で、歓喜の声が聞こえた。
女性が、手酌をしている。しかも、なぜか喜んでいる。
付き添いなのか、そばにいた男性が、小さく笑っていた。
お代わりをくれたマスターに、「あれはなに?」と私は訊ねたが
マスターはゆっくり、首を振っただけで、答えてくれなかった。
たぶん、彼らがなんなのか知ってても知らなくても、マスターは首を振ったろう。そういう人だ。
そういう人だからこそ、
「ね、マスター。ちょっと昔話でも聞いてよ」
人を受け入れるだけの、器がある気がする。
そう人は、だれだって受け入れてほしいのだ。
だれだって、だれだって。
ちびちび飲み始めた私の後ろを、そしてさっきの男女が、通っていった。
あの二人は、うまくやれるだろうか……?