紅 憐さんのレビュー一覧
私はその日、夜桜を見ようと思った。
そしたら、女性の声が聞こえてきた。
ほんのりと筋の入った紅色が美しい、桜吹雪の中、女性が、だれかへ向かって話していた。
昔話?
思出話?
なにかを振り返るようにとうとうと喋る彼女は……
どういうわけか、ひとりだった。
電話でも、かけているのだろうか?
それとも、桜が話相手なのだろうか?
だとしたら、なんて風流だろう。
淡く紅を滲ませる桜の樹の下で、思出話。
桜に話しかける、胸のうち。
夜桜を見にきて、素敵な人を見つけたなと私は思った。
思ったと同時に、そういえば、桜が赤く染まる理由は、なんだったかなと考えた。
考えて……ふふ、まさか、と冷笑した。
ある意味、それはそれで風流かな、と思ったけれど……
桜の樹の下で、私が見た女性はひとり、花びらの雨に降られていた。
黒猫がいました。 黒猫はこちらを見ると、目をぱちくりさせました。 お仕事は一段落した? 訊いてみると、黒猫は少しさみしげに、たくさん満足そうに空を見上げました。 「ええ、一段落ね」 視線を辿ると、マリンブルーの空が眩しいばかりでした。 彼、願いは叶ったよね? 「もちろん。あたしは案内役なの。それに聞こえない?」 ぽすぽす、ぽすん 「ほらあの音。想いが伝わった証拠ね」 そっか 「あんた、人間でしょ?ペットはいるの?」 うん。猫をね 「大切にしてあげなよ。そしたらきっと、この青空を見せてあげられるから」 うん。アナタ、黒猫の天使だもんね 「ばぁかなだれかが勝手に言っただけだよ」 黒猫はもう一度、マリンブルーの空を見上げました。 ぽすぽす、ぽすん。 そんな音を、聞いたような気がしました。
黒猫がいました。
黒猫はこちらを見ると、目をぱちくりさせました。
お仕事は一段落した?
訊いてみると、黒猫は少しさみしげに、たくさん満足そうに空を見上げました。
「ええ、一段落ね」
視線を辿ると、マリンブルーの空が眩しいばかりでした。
彼、願いは叶ったよね?
「もちろん。あたしは案内役なの。それに聞こえない?」
ぽすぽす、ぽすん
「ほらあの音。想いが伝わった証拠ね」
そっか
「あんた、人間でしょ?ペットはいるの?」
うん。猫をね
「大切にしてあげなよ。そしたらきっと、この青空を見せてあげられるから」
うん。アナタ、黒猫の天使だもんね
「ばぁかなだれかが勝手に言っただけだよ」
黒猫はもう一度、マリンブルーの空を見上げました。
ぽすぽす、ぽすん。
そんな音を、聞いたような気がしました。
勝手にキス逃げルール説明♪
まず、自分の好きな人にターゲットを絞ります。
そしたらピンポンダッシュみたく、その人にキス!
そして逃亡!
きっとそんな、恥ずかしくって甘酸っぱい遊びです。
だけど……主人公の女の子は、これが大っ嫌い。
だって……自分の好きな男の子が、キス逃げの対象にされまくりなんですもん。
つんと清ました顔で、べっつにーなんて思いながら
でも実は、だれにも彼にキスさせたくない乙女心……
複雑な思いをポップな感覚で軽やかに読ませてくれる作品です♪
この作品は、文字通り『物語』です。
まず冒頭からいきなり、語りかけられてきます。
読者はその瞬間、真っ暗闇に置かれ、目の前の老紳士の言葉に耳を傾けざるをえなくなります。
そして幕が開けば、そこはもはや、綱渡りに失敗してしまった世界……
え?
どういうことですかって?
あなたも質問の多い方ですね。
では、早速この世界へ迷い込んでみなさい。
美味しいコーヒーでも飲みながら、ね。
作中、最も印象に残った言葉をひねって使わせていただきました。
『俺の心の中にあるスコアボードに刻もう』
大親友との関係を、少年はそう決心しました。
素敵な言葉です。
作中でスコアボードがどのように言われているか……それを踏まえると、この言葉の意味はぐんと深まります。
少年二人は18,44メートルの間を開けて、けれどお互いをしっかりと感じ合えています。
いえ、18,44メートルの距離があるからこそ、バッテリーとしての友情が強くなるんです。
18,44メートル
野球ボール
スコアボード
短い物語の中に、強いインパクトを与える単語がふんだんに使われています。
すっきり読めて爽やかな気持ちになれます。
どうぞお手に取ってみてください。
ある日、主人公のお姉さんを助けたのは、吸血鬼でした。
そして吸血鬼とお姉さんは付き合うと言い出し……!
弟の孝くんは動転動転また動転。
物語は
少しほのぼのしたキャラ達が織り成す日常から、ある人物の接触によってシリアスになっていきます。
吸血鬼とは人間とは……
吸血鬼と人間との境界……
種族の壁による意識の違い……
集束していく展開はエンターテイメント。
まさにこれからもっと面白くなっていくとこで終わっているので、それなら続編に期待して、星はお預けの三ツ星です。
アナタも、まずは赤い瞳に気圧されてみて。
そんな風に、だれかを決めつけたことはありませんか?
アイツは……だ!
やっぱり……だ!
そいやって決めつけてしまうのは、悲しいことです。
相手のことを、自分のものさしでしか見れてない。
大切なのは、お互いがどう思っているかを伝え合うこと、感じ合うことだと思います。
この物語はそんな、人と人の和解、その先にある平和を描いています。
今、『どうせこんな感じの話でしょ』って決めつけたアナタにこそ、読んでもらいたい。
人を理解することは難しい。難しいから、平和も遠い。
でも、それは絶対不可能じゃない。
だれかのことを少しでも理解できたら……それはきっと、鮮やかに染まっていく紫色の夕焼けのように、素敵なことだと思います。
ぜひ、ご一読ください。