聖凪砂さんのレビュー一覧
突然の別れは、最悪な結果によって引き寄せられる。
突然告げられた別れの言葉だけど、それがなぜかその意味がずっとわからなかった主人公。そんな中、彼女はその訳を知ることとなる。そして、そんな彼女になぜか恋多き男がかまってきて。
最悪な別れの理由。なのに、それでも相手を嫌いになることができずに、ずっと想い続ける彼女。自然消滅とかの理由なら、それもわかるのだけど、まさかの相手の理由なのに、そこまで想い続けられるとは――と思ってしまいました。
でも、楽しかった幸せだった時のことを思い出せば嫌いになることはできないというのは少しわかる気がします。そして、彼女がそうだからか、彼が代わりにいろいろと怒ってくれて。
ただの女性関係が派手なだけではなく、気を使いながらの数々の女生との付き合いをしている彼に、はじめに感じた印象よりも読み終わった後は、すごく好感が持てました。
甘いだけじゃない、リアリティのある作品でした。
人には言えない趣味を持つ主人公は、子供のころからの憧れである百貨店に勤務することになる。それは正社員ではなく、契約社員として。だけど、自分の働き次第では正社員になれるということもあり、そのために一生懸命に前向きに仕事に励む。そんな中出会ったのは、仕事人間だと自分でもいう真山。
彼の仕事に対する真剣さに尊敬しながらも、なんとなく似ている二人の距離は近づいていく。
とても、素敵な作品でした。
二人が惹かれていく姿は、文章を読むだけでわかりますし、お互いが好意を持ちかけているのも雰囲気でわかります。こういった文章表現は、さすがに力のある方だと思いました。
とても読みやすく、また感動できる素晴らしい作品です。
事件に巻き込まれるという波乱の展開からスタートしたストーリー。
狙われる主人公と、盗まれたものを奪い返したことにより、彼女を守ることとなった彼。
はじめは恐怖と義務からの関係も、次第にお互いのことを知っていくことにより深まっていく関係。だけど、そこにはすべてが終われば、帰国しなければいけないという期間限定の恋。
前半は事件に巻き込まれてのスリル満点な展開。そして後半は、離れてからの二人の切ない恋物語。
読みごたえはたっぷりあったのですが、個人的にはあれだけ恋多き男として過去があった蓮なのだから、そういったラブストーリーでの波乱も少し欲しかったです。
とても素晴らしい作品なのですが、前半がスリル満点だったので、後半のストーリーが少しあっさりしすぎていたような気がしました。
過去の苦い生い立ちにより、周りの顔色ばかり窺って生きてきた主人公。そんな彼女は、父親から突然お見合いを持ち掛けられる。押しの弱いことを自分でも知っている彼女は、このままなし崩し的に結婚させられると思い、レンタル彼氏を利用しようとするのだけど……
レンタル彼氏にやってきた上司とのレンタル期間を通して、少しずつ成長していく主人公。理不尽なこともあって、泣き寝入りしているシーンは、すごく切なかったし、最後までに相手が痛い目をみるような展開になればいいな…と思いながらも、そううまくはいかないところが、リアル感がとても現れていました。実際の社会はこんなものですよね。
だけど、一歩一歩勇気を出して前に進んでいく姿は好感が持て、「がんばれ!」と思わず読みながら応援してしまうぐらいでした。
恋もだけど、主人公が成長していく素敵なラブストーリーでした。
すごく読んでいて楽しい作品でした。別に小説家ではないのですが、自分もここで作品を書いたりしている身。だからこそ、勝手に親近感を感じてしまいました。
小説家と担当編集者。だからこそ、一線を超えないようにしなければいけないと右往左往する姿は、読んでいてとても切なく、また、一歩一歩確実に成長していっているユーリは読んでいてもすごく好感が持てました。
だからこそ、勿体ない。
あれだけかき乱したエミリと宮森にもう少し何かしらの罰があたるような展開やその後のことなどが、書かれていたらいいのに…と個人的に思ってしまいました。
続編などがあれば絶対に読みたいと思う作品です。
まさに対称的な男性だと思いました。
付き合っていた御曹司と別れ、部屋を貸してくれた男。いろいろと悪態をつきながらも、真には優しさがちりばめられており、彼の想いは丸わかり。
だけど、鈍感な文は全く気付かない。
出てくる男性が女癖の悪い男と一途な男というまさに対称的。今まで男運がなかった文は、ことごとく後ろ向き。だからこそ、読んでいるこちらとしては惹かれていることがわかるのに、自分の気持ちさえもわからない。
すごくひやひやしながら最後まで読みました。だけど、読み終わって、お似合いの二人に読んでいるこちらもほっこりとさせられました。
一途な男性って、いいですよね~…
そして、その愛情表現の不器用さがまさにツボです。
主に出てくる千波に関わってくる二人の男性。
この作品の中で、すごくその二人の男性の位置づけが対称的で深沢課長がとても素敵でした。
特に、一つ一つのことに対してのもう一人の男性との違いに、千波はもちろんのこと、私も読んでいてすごく納得のいくことで頷きながらすごく読んでいました。
現実でもこういう自分本位の男の人がいるので、より一層現実感がありました。
ストーリーは前半は、そのギャップにドキドキさせられながら読んでいき、後半は二人の恋の展開にドキドキしました。
特に最後の課長の想いがいつからなのかということがわかってからは、読んでいてほんわかした気持ちになりました。一途な男の人って、すごく素敵です。
とても、素晴らしい作品でした。
すれ違いもすれ違い。
まさにここまで行くと、なんと言っていいのやら。
文章表現、ストーリーの持っていき方など、素晴らしいとしか言いようのない作者です。
始まりから切なさ全開のストーリーで、最後まで主人公であるめぐみがかわいそうで仕方がありません。だけど、ところどころ見せる響の優しさ。そこに読んでいて、あれ?と思いながらも、また、切なさのシーンやすれ違いで相手の気持ちが見えない。
そんなハラハラドキドキのしっぱなしだったのですが、最後の最後にその謎が解けると、やられた!という想いにさせられます。
最後まで読んで、もう一度読み返すとまた違う感じで読めてしまう作品。
とても素敵な作品で、何度でも読み返したくなるほどです。
主に恋愛が重視ですが、サスペンス要素もあります。
もっとあっさりとした謎だったりするのかな?とか思っていたのですが、終盤にわかる篠田の過去など、すごく重苦しい内容で、ただの恋愛として収めるには無理がある作品でした。
恋愛が重視なので、サスペンスとして読むと物足りないのですが、ラブストーリーの中にサスペンスが少し入っている作品だと思うといいと思います。
謎が多い部分は読んでいて気になってハラハラさせられましたが、もう少し設定など練りこんでいけばサスペンスとしてもすごく素敵になる作品だと思いました。
苦しい事情から悪いことだとわかっていながら、副業としてホステスをしていた主人公。そこに現れたのは、社内でもイケメンで紳士的だと評判の専務。
突然、知られてしまった事情から弱みを握られながらも、少しずつ二人の距離は縮まっていく。
誰にでも突然降りかかってくる不幸。
一生懸命に、自分は冷たい人間だと思いながらもお金を稼ぐ主人公。だけど、その行為は全く冷たい行為ではなく、逆に私は優しい人間なんだと思いました。だからこそ、自分は冷たいと罪悪感を持ち続けている。
二人とも片親の境遇に恵まれておらず、全く違う環境にいながらも、少しだけ似ていてわかる気持ち。だからこそ、惹かれ合っていくのだと思います。
初めのツンツンした二人のやり取りから、後半の溺愛へのシフトチェンジがすごく読んでいて面白かったです。
とてもきれいな文章表現で、素敵な作品でした。
院内での緊迫した光景や仕事内容。そして、そこに絡められる恋愛。
恋愛重視というわけではなく、仕事を通して通じ合う想いや感情。そして背景など、読んでいてもグッとくる作品でした。
また、視点の重点を恋愛だけにするのではなく、自然な流れの中で二人が惹かれていく様子が描かれており、そこも作品の素晴らしさが際立ったのだと思います。
本当に素敵な作品でした。
お互いがお互いを想いあっているのに、始め方を間違えてしまったがために、誤解やすれ違いの連続でこじれさせてしまった恋。
最後までその誤解が尾を引くのかと思っていたのですが、予想外に早い段階でその誤解が解けたのですが、そこからもこじらせ続ける二人。
主人公の過去の経験や背景からも、タイトルの『最愛』というテーマがあり、いろいろなところで愛されることに対しての後ろ向きな主人公。そんな主人公に対して、始め方を間違えてしまったのだから、難しいところ。
一つのテーマを軸に、二人のそれぞれの想いや背景を通しながらも、ゆっくりと紡がれていく恋愛が素晴らしかったです。
この作品の中の円華の考え、想い、戸惑い、すべてが現実の女性たちが思う感情や悩みのようで、読んでいてすごくうなずけるところがありました。
惹かれていきながらも、自分には彼氏がいて、その彼氏との間に恋愛感情はないのに、それでも切ることができない。その先の失った不安を考える、打算的な考え。読んでいて、あまりにもリアルで心の中の狡さや汚さがあって、ちょっと嫌な気持ちにもさせられるけど、それはあまりにもリアルで現実にあることだから、嫌悪感を抱きながらも納得もできてしまう。
きっかけを与えてもらいながらも、それでも何度も悩み同じことを繰り返して…
とても、人間らしい作品でした。ラブストーリーも一筋縄ではいかない展開で、すごく練りこまれているな…と思いました。
高校生のこういうお話はよくあります。ですが、大人になってからもこのようにこじらせ中の作品は初めてかも。
大人のラブストーリーですが、文章的にも少し軽く甘い展開もさらっと流されています。
がっつり濃厚なラブストーリーを読みたい方には物足りないかもしれませんが、甘い作品を読みたい方にはお勧めです。
個人的には、それぞれのライバルらしき人達との関係やあれこれをもっと詳しく書いてもらったらよかったな…と思いました。あまりにもさらっとしすぎてて、物足りなく感じたので。
自分の容姿のせいで、悪い噂をたてられている主人公。その噂を聞くたびに落ち込んでいた日、飲みすぎた飲み会で気にかけてくれた後輩。
それから、自分の趣味を知られたり、ボロが見つかったりと散々。そして、とうとういろいろなことが重なり、後輩へと業務命令を言いつける。
はじめに業務命令を発動してしまったがために、そのことに最後まで苦しめられる主人公。
後輩の淡々とした姿の中に、突っ込みと彼女のかわいらしさが見え隠れし、すごく読んでいて楽しかったです。大人のラブストーリーなのに、主人公が初々しいからか、かなり甘酸っぱい作品でした。
過去に恋愛でつらい思いをしたみあ。そんなみあも月日が経ち、ようやく1人の男性に心が惹かれ始める。だけど、それは前向きに思える現象だが、ここでも過去のつらい思いが邪魔をする。
この作品を読んで思ったのは、人のとらえる罪の重さということ。
自分は反省していると言いながらも、自分の想いを押し付けてくる元カレ。普通の話なら、そこで反省しているならと受け入れる作品が多い中、この作品はそこから深く掘り下げています。
本当の意味の反省とはなんなのか。そして、傷つけた側と傷つけられた側の傷つき方の深さの違い。
ストーリーはラブストーリーなのに、なぜかすごく考えさせられる作品でした。
素敵なストーリーで、まさに女子のあこがれのシンデレラストーリーでした。
一目ぼれでの入社。だけど、思い通りにはいかない現実。
恋を通して、社内の悪い部分も描かれており、その中での苦悩などが逃すこともなく書かれており、とてもリアリティがありました。
恋のほうは現実味のないお話なのに、オフィスでのことはリアリティがあるというギャップがとてもよかったです。
毒舌で、尚且つイケメン。
そんなタイプの人間が相手役のストーリーはたくさんあります。だけど、この作品の彼はそれだけではない。毒舌だけど、恋愛関係にはピュアで、尚且つ紳士的。
ところどころ見せられるやさしさに、ギャップを味わいながら、苦手だと思い関わり合いにならないようにしていたのに惹かれていくめぐみの気持ちがよくわかります。
そして、不器用。ここはすごくポイントだと思います。
前作の両親も出てきて、そこもひそかに楽しませていただきました。そして、そんな二人に育てられたから、こういう男の子に育ったのだというのも納得。
ドキドキしながらも、ところどころに笑いを誘うエピソードも織り込まれており、とても楽しい作品でした。
派遣会社に努めている希望は、同期の担当先の派遣の問題を追及するために、秘書として配属される。はじめは軽い気持ち。それが、どんどんと相手を知ることで惹かれていく気持ち。そして、自分がここに来た意味。
二人の距離が少しずつ縮まっていくのは、とても読んでいても楽しかったです。惹かれていく気持ちを自分がここに来た意味を考えながら、なんとかセーブしようと、必死に自分自身に否定する希望の姿。そして、大人な対応をしながらも、時々見せる高遠さんの素の姿。
とても、かっこよくて読みごたえがある作品でした。
最後まで読むことが止められず、一気に読み切ってしまいました。
最悪な失恋の時、手を差し伸べてくれた男の人。それは、偶然の運命だった。
なぜか優しく接してくれる男性に惹かれながらも、疑いを隠せない瑠花。そして、何かを隠しながらも瑠花に優しく接し、誘ってくる理人。
甘い言葉や仕草が終始、ストーリーに散りばめられており、まさしく女の子が大好きなストーリーの王道と言える作品です。甘く、夢みたいなら、絶対にこのストーリーをお勧めします。