聖凪砂さんのレビュー一覧
本当は好きなのに、周りには好きじゃないという主人公。そんな主人公の態度を気に入り、ある契約を持ちかける彼。
本当は好きだからこそ、その契約はその気持ちを決して伝えることができない契約でもある。そのことに悩みながらも、強引な彼により、悩む間もなく契約を結ばされてしまった主人公は、何度も自分の気持ちに蓋をしようとする。その想いがすごく切なくて、彼の言葉や行動に何度も傷つくところが切なかったです。そして、彼の気持ちもよく見えず、最後の最後まで全くわかりませんでした。
だからこそ、最後まで読み切ってもう一度読み直したら、また違う感じで読めました。
ところどころに散りばめられた運命的なところも、ラブストーリーに花を持たせていました。
読み終わった後に一言。『きっとこの話って、この勘違いや事実の説明があれば、全く何も問題のないお話だったんだろうな…』そう思ったお話でした。
主人公は、いつも自分の恋が成就できず、人の恋を手助けしてばかり。そこには、貧乏くじ的なこともあり、自分のそんな展開ばかりにやさぐれ中。そんな時に偶然、心の声を聞かれたのは社内でも有名なイケメン上司。
そうなると、恋が始まる展開へとというのは、自然な流れ。だけど、残念なことにそこには恋には絶対に発展してはいけない問題が…。
その問題を巡って、二人の関係は一歩進んだかと思っても後退したりと、最後まで主人公の悩み続ける心中はわかります。だからこそ、それとは対称的な相手の態度に違和感も。
読み終わるまで、安心できない作品です。
プロローグから惹きこまれる作品でした。最初がこういった始まり方だったの、なんとなく社長の気持ちや謎はすぐにとけていたのですが、そこからが、読んでいてすごく楽しかったです。何より、最初がこういった始まりだったにも関わらず、その先の展開は少し予想外。過去はどうであれ、社長が一途なのかと思えば、そういうこともなく、また花もそこまで社長に気がないので、それを気にすることもなくただ呆れるだけ。そういった中でも、食事を通して二人が近づいていくところが表れていてよかったです。だからこそ、最後の最後まで恋というものに張ってしなかった二人のこの続きがぜひとも知りたいと読みたいと思いました。
とても大人のラブストーリーでした。
ストーリーは、ほとんど波もなく、二人の想いがしっかりとしているので安心して読むことができました。ただ、そこに波乱がないことは安心して読めるのですが、過去の生い立ちからか、主人公がネガティブすぎてなかなかストーリーが進まないところは少し読んでいて読みづらかったです。大切な話し中でも、話があちこちに移って、ちょっと個人的にはイラっときちゃいました。
だけど、そこもあえて作者さまはそう書いたのではないかな?とは思います。
主人公の性格や考えから、はっきり話を進めるということができなくてなのかな?と。ストーリーはゆっくりですが、もともと文章能力がある作家さんなので、完成度はいつもながらかなり高いです。他の作品のキャラがところどころ出てきて、それが読んでいて楽しかったです。
読んでいてドキドキする作品でした。
なんとなく予想はできるストーリーだったのですが、それでもその上をいく甘さ。
高校の同級生だということだから、その時から…とか思っていたのですが、そういうわけではなく、あるアクシデントによる展開からのストーリーだったのが、ある意味現実的というか…。そこはちょっと予想を裏切られました。高校の同級生だから、実は相手は昔から主人公のことを気になってた…とかの展開かと思ってたんですけど……。
なのに、知りだしてからはどんどん彼女にはまっていく彼。そして、そんな彼の行動がよくわからず、逃げ腰の彼女。ちぐはぐな二人の関係がすごく面白かったです。
最後まで、高校の時に彼と関わった女の子たちがどうしてそうなったかの意味がわからないのが、少し個人的には消化不良でした。あれは彼の仕業?それとも、ただの偶然?
すごく面白かったです。
ラブストーリーのはずなのに、文章のいたるところに笑えるところがあって。とくに、社長のキャラが強烈なのですが、そのことに主人公が心の中で入れている突っ込みが的を得ていて。
読み初めから後半のストーリー展開は、まさかという感じで、そこで題名の意味がわかりました。
正直、前半部分からは題名のことなんてすっかり頭から抜けていたほどでした。
もう、本当に面白くて。
最後まで読みながら笑わせていただきました。
絶対にこういうことはないだろうな…という設定から始まるストーリー。
誰かもわからない人をいきなり家に連れて行き、泊まらせるという行為は普通に考えるとありえない。だけど、ストーリーはそこから始まります。
はじめは話そうとすらしなかった彼が少しずつ心を開いていき、実はさりげなく手を差し伸べている。それは主人公を陰ながら守っているようですごく素敵な行為でした。
元カレの勝手な言い分や行動。一見、優しそうな行動だけど、一番最低な言動。そんな彼にはもっと制裁を加えてもらってもいいような気がしました。
でも、こういう男って結構いるな…と思ったりもしました。
最後が少し駆け足気味だったのが、もったいない気がします。もう少し、再会してからの二人の展開を読んでみたかったです。
まさしく、俺様上司というのが正しいほどの暴君な上司様でした。
主人公がどうしてこんなに怖い人に惹かれたのかが、もう少し補足として欲しかったと感じました。少しそこが足りないために、どうして好きなのか、どこに惹かれたのかがわからず、こんなに俺様な人なのに、まだ好きなのかと少し納得がいかない部分もありました。
ストーリー展開はいいのですが、そこに至るまでの主人公の心情などがもう少し丁寧に描かれているとよかったなぁ…と少し残念に思いました。
初恋と題名につくだけに、読んでいて少女漫画みたいと思いました。
ブレッドと題名が付くだけにストーリーの中での心情をパンにちなんだ表現が使われていたりと、一定した表現方法を取り入れているのですが、それ以上に読んでいて思ったことは、少女漫画にありがちな設定がかなり盛り込まれていたことです。
眼鏡女子が眼鏡を外したら、実は美人だったとか、どんなに嫌がらせをされて前向きだとか、わかりやすい異性からのアプローチに全く気付かない鈍感さとか。
それが、オフィスラブで展開されているから面白い。定番のシチュエーションのはずが、なぜか新鮮さがあります。
あっという間のストーリーでしたが、すごく面白かったです。
このタイトルの通り、現実の恋というものはこういう始まり方なのではないかな?と思いました。
よくあるストーリーでは、ひとめぼれとかお互いに運命を感じてすぐに惹かれ合ったなどあるけど、実際はそういうものではなく、お互いを知っていく中で恋は芽生えていくのではないのかと思いました。
このストーリーはまさしく、その題名の通りに日常の仕事を通して触れ合っていく中でお互いの恋心が紡がれていくさまが書かれていて、すごくよかったです。仕事のことでも、失敗したり叱られたり、そして、優しくフォローしてくれたりと、日常的な一コマが丁寧に書かれていて読んでいてストーリーにグッと引き込まれていきました。前作も読ませていただいていたので、知っているキャラクターがストーリーの中に出てきて、それも楽しかったです。
それほどストーリー的には落差のないラブストーリーです。
主軸の二人がゆっくりとだけど、確実に少しずついろいろなことに葛藤しながら進んでいくストーリーです。
波乱を望む人には少し物足りないかもしれませんが、こうして紡がれるゆっくりとした流れのラブストーリーだからこそ、リアルさもあって読みやすかったです。
波乱はないけど、大人のラブストーリーという作品でした。
ここに出てくる主要キャラの三人がとても不器用でした。
主人公、そして、その主人公を巡る二人の男性。読むこちらも特に課長に関しては、ところどころ見える愛情とは別にもう一人の女性との関係から誤解を招かれない状態で。
一途に見える中にも、それぞれの複雑な想いが書かれており、唯一伸び伸びと恋愛をしていたのは、ライバルとして登場する女性だけではないのでしょうか?
筋の恋愛はしっかりしているのに、なぜか切なすぎて、それがこの作品の作者さんの力が成せることだと思いました。
なんとなく勘違いしているのだろうというのは、最初の時点ですぐに気づきました。そして、そんな常務からのアプローチを受け入れることができない理由にそれがなるということも。
読んでいて、いろいろなとんちんかんな勘違いなどの連続で、特に主人公の思考回路が面白くてまさに天然という感じ。
作者さんも、これはラブコメではなくラブストーリーですと言うぐらい、ラブコメ感がある作品でした。
最後の最後までオチのような展開で、それが彼女のキャラ的には合っていて、すごく楽しませて読ませていただきました。
ライバルもいるのに、ここに出てくる主要キャラはすべていい人たちでした。
読んでいてとても温かく、優しいお話でした。
軽い社長の行動の裏には一つ一つ理由があったり、そんな社長の隠された素顔をさりげなく引き出す主人公。そして、そっけない中でだからこそ押しつけがましくもないさりげないやり取りはすごくよかったです。
初めの時点で、「ああ、勘違いしてるな」ということはわかりました。
だけど、そこからの読める展開の中で繰り広げられる二人のやり取りは読んでいてもすごく心地よかったし、ドキドキさせられました。
そして、美味しいというタイトル通りに、料理がストーリーの中にちりばめられていて、それがストーリーの中で温かさをプラスさせていました。
食事って、すごく大切なことですよね。
読んでいて、とても温かく素敵なお話で、何度も読み直したくなるお話でした。
番外編では、終始出てきた元カレも登場し、すごくすっきりしました。
最高に素敵でおすすめの作品です。
正直、もっとライバルとか出てきたりするのかな?と思っていました。
ですが、物語の中心は二人の恋のバトル。だから、ライバルかな?と思う人が出てきてもライバルになることもなく消えていく。
とにかく、無自覚な主人公にイケメン常務の張り巡らせた罠。
それに引っかかるかうまく逃げ切るかといった話です。でも、一番はそうまでして手に入れようとする溺愛っぷりかもしれません。
とにかく、とても読み応えのある作品でした。
どんな苦境に立たされようとも、まっすぐ前向きに突き進む主人公に、とても好感が持てました。
また、少し変わり者の専務も、その中には仕事に対して一本筋の通った考えを持った人で、とても素晴らしかったです。
真面目に生きている主人公。だからこそ、躓くこともあり、そのたびにさりげなく手を差し伸べてくれる専務。でも、その専務の差し伸べてくれる手に無条件に甘えるのではなく、きちんとするところもすごくよかったです。シンデレラストーリー的な御曹司との恋のストーリーが数多くあるのですが、主人公が御曹司のプレゼントをあっさりと受け入れるという話が多い中で、この主人公はしっかりと自分の意思を持っているなぁと感じました。
王道のラブストーリーだと言える作品です。
そして、この作者さんの文章能力の高さがその作品の質をより高めていて、読んでいてすごく綺麗で素敵な作品だと思いました。
ストーリー展開から、キャラの心情、ところどころに見せる彼のしぐさからは、主人公に対しての想いが見え隠れしていて、そこもすごくよかったです。
序盤から中盤までがとても丁寧に描かれていたのですが、最後が綺麗な終わり方だったのですが、私個人としては二人のこれからをもう少し垣間見てみたかったと思ってしまいました。
とても、素敵な作品でした。
自分勝手な会社の先輩から理不尽な仕事の押し付けをされていた主人公。そんな主人公をある日、さりげなく助けてくれた彼は……
ベタな展開から始まったこのストーリーですが、ストーリーは至って前向きでまっすぐに一直線に進むラブストーリーでした。ただ、そこまでのラブストーリーなのに、そのキャラの背景はかなり複雑な関係で。
主人公は普通の家庭で育った子なのですが、彼の家庭環境というか育った環境が複雑すぎて。
ちょっと、ギャップを感じさせました。でも、そこもストーリーとつながっていて。思ったのは、両親の恋愛だけでも一つのストーリーができあがってしまうのではないと思うほどです。
愛情に飢えていた課長だからこそ、絶対に二人で幸せになって欲しいと思いました。
とても惹き込まれた作品でした。
すごく素敵でかっこいい真屋さん。そして、そんな彼のことを忘れることができなかった主人公。
どこかで十年前に出会ったことがわかってしまうところがあるかと思ったのですが、最後の最後までばれることもなく、また、初めの衝撃的な再会での謎の部分も残っていて、もっともっと読みたいと思いました。
書籍化に番外編も載るということなので、そこで甘い続きが読めることを期待して。