聖凪砂さんのレビュー一覧
突然の親友の交際宣言。それは喜ばしいこと。でも、その相手は自分の交際相手。今も自分の彼であるはずが、なぜか親友の彼となってしまった現実。
それは自分が失恋したことになるのだが―――…
最悪な日になったその日。その時に出会った二人。お互いに惹かれていく二人。でも、出会って一日の短い時間が自分の気持ちの変化に戸惑い、否定する。動く気持ちと理性の間の葛藤。
一日に動いていく二人の距離感が切なく、それでいて、どうしても惹かれあっていく気持ちと、一日を終えた二人のその後を知りたいと思える作品でした。
恋愛をすることも頑張ることも諦め、干物生活を送っていた主人公。そんな彼女は、ただ毎日を干渉されないように距離を保ちながら人と関わっていた。恋する気持ちを持つことも諦め、人に興味を持つことも諦めていた彼女は、絶対に関わることがないはずの人に近づくことに。
気にしないようにしようとしながらも、ほっておくこともできず、結局距離が近づいていくこととなる彼女。その関係に違和感を持ちながらも、突っぱねることもできない。
でも、一歩踏み入れることのできない二人の近づけば引いていく関係が、とてももどかしかったです。
初々しい新人の二人のほのぼのオフィスラブ。 二人の恋の始まり方から、その先も。ほのぼのと言う通り、展開はゆっくりと丁寧に書かれています。特にアップダウンがあるわけではないけど、とてもほんわかさせてくれます。
初々しい新人の二人のほのぼのオフィスラブ。
二人の恋の始まり方から、その先も。ほのぼのと言う通り、展開はゆっくりと丁寧に書かれています。特にアップダウンがあるわけではないけど、とてもほんわかさせてくれます。
特に何か策を考えて起こした行動じゃない。
ただ、気になって何とかしてあげたくて起こした行動。それが、とんでもないことになっていく。
周囲の考えと、本人の想いやその時のことは違っているのに、主人公が流れ的に自分は周りが思っている通りだと考えているところがとても切ない。こんなことにならなければ、彼女はなかったことにしようとしているのに、そうはいかない。そして、この先ずっとその苦しみを抱えていかなければいけない覚悟を持ちながらも、つらい感情は本人もを飲み込んでいく。
とても切ないお話でした。
特殊な能力を持つ主人公。そんな彼女は、ある日、罪を被ってしまうことになる。死の絶望から皇后へとたてられる主人公は、戸惑いながらも、皇帝との距離を縮めていく。
敏腕で美形であるはずの皇帝。冷酷に見られている皇帝が、実は恋に奥手で主人公への想いを拗らせていく姿が、読んでいてギャップがあり、すごく面白かったです。
命を狙われたりと、重いお話なのかと思いきや、彼のそんな姿がこのストーリーをホッとさせます。
甘く、そしてゆっくりと深めていくとても素敵なお話でした。
作品の題名から、主人公を溺愛するいけばな王子を想像していました。
ですが、読んでいると、そうではなく、二人でゆっくりと恋を見つけていくお話なんだと私は思いました。
あるきっかけで知り合うこととなった二人。そんな二人がお互いのことを知っていきながら近づいていく。ラブストーリーの定番のストーリーだけど、その定番が読んでいてすごく心地よかったです。
両親を亡くし、家の和菓子屋を必死に守ろうと奮闘している主人公。でも、現実はそう簡単ではなく、毎日の売り上げに悩む毎日。それでも、自分のことは棚上げにし、毎日必死に頑張る彼女。そんな彼女の健気さに、好感が持てます。そして、それは私だけではなく、彼女に恋をする彼も。
下心を持ちながらも、彼女にアドバイスをし、経営を立て直す協力をする彼。
そして、そんな彼のことを考えながらも、一生懸命に毎日を歩む主人公。
お互いがお互いのことを考え、誠実な二人の関係。だからこそ、自分勝手に自分の気持ちを押し付ける第三者の気持ちが、不愉快でとても不純なものに見えました。
また、彼女たちを取り巻く周りの人々も素敵な人がいっぱいですごく素敵なお話でした。
連日の両親のお見合い攻撃から逃げ出した主人公。だけど、逃げ出したお見合い相手とは―――…
逃げ出されたことで妙なプライドを傷つけられたのか、自社の専務により、理不尽な要求を突き付けられ、同居することとなった主人公。
戸惑いながらも、意地っ張りな彼女はすぐにその状況になれ、逆に彼を振り回す。お互いが意地っ張りで、そんな二人のやり取りが新鮮で、それでいて読んでいて面白かったです。
特に、普通なら起こらないバトルなどもコミカルで、読んでいて楽しかったです。
とても壮大で、素敵な物語でした。
ストーリーではなく、あえて物語と言わせてもらいます。それぐらい、とても壮大なスケールの読み応えのある作品でした。
自分たちだけではなく、それぞれの親の世代。
そして、最後まで本当の犯人が誰だかわからない謎の展開。どれも素晴らしく、また、一度読んでから、実はこうだったのかと読み返して新たな読み方ができる作品です。
結婚するということを考えられない主人公。ただ、仕事に打ち込み、まっすぐに突き進む彼女。そんな彼女はかっこいいけど、愛想のない上司にも、周りとは違い興味なし。そんな彼女に、ある日持ち掛けられた話。
女性にいい印象がない彼と、結婚願望がない主人公が、結婚というものがどういうものか身をもって体験していく。
お互いにこれまでも関係もなく、それでいてときめいたこともない。だから、ストーリー的には甘い展開はスローで少ないです。ただ、二人が同じ職場ということもあり、仕事の場面は丁寧に書かれており、情景が浮かび上がりました。コミカルな展開もあり、また、ハラハラさせられるところもあるけど、全体的にテンポよく読み進めることができる作品でした。
好きだけでは無理。
それは、よくわかることでした。
主人公は、シスコンである社長と婚約をして幸せの絶頂にいた。はじめから、妹のことを気にかけている姿は知っていたし、自分もそれに納得していたはずだった。だけど、いざ結婚する前になって、その気持ちの綻びが見えてくる。
自分の気持ちを抑えて、なんとかやり過ごそうとしてみたものの、現実は見えてき始める。好きだけど納得できない部分もある。それが不安となり、主人公を悩ませることとなるのですが、その気持ちがよくわかりました。
頭では理解している。でも、心では納得できない。そんな複雑な彼女の結婚前に揺れ動く感情の変化が、とても丁寧に表現されていました。
突然の異世界への召喚。そこには、そうしなければいけない理由があった。
元の世界へと帰るということもあり、自分の気持ちを封じなければいけない。でも、惹かれる気持ちは止められない。お互いがお互いのことを想いあう気持ちがあるため、気持ちを口にすることができない。
そんな二人の切ない気持ちとは対称的に、ライバルたちは自分の気持ちを押し付けてくる。その対比が、とてもわかりやすかったです。
相手のことを想う二人と、自分の気持ちを優先するライバルたち。想いの深さに差をつけるわけではないけど、読んでいると、どうもその差が見えてくるようでした。
ただの甘いだけのラブストーリーではない。
陰謀と、また人の欲深さ。その中で一途に想う気持ちと、少しアンバランスなそれぞれの気持ちが描かれており、ただのラブストーリーとしてだけで読むのは難しい。
そこには人の汚い部分も描かれていて、途中で読むのがつらい部分もありました。
ですが、その中で醜い部分も描かれている分、一途に想う気持ちと、主人公たちを取り巻く人々との信頼関係など、素晴らしい関係も描かれており、何とも言えない気持ちになりました。
仲良し同期。だけど、その中で想いを寄せていた同期二人の結婚。
自分の気持ちに蓋をし、前向きに二人を祝福する主人公。だけど、そんな彼女にもう一人の苦手な同期がかまってくる。
女性関係が派手な彼を苦手にしていた彼女だけど、思いもよらないアタックに無視するわけにもいかなくなってくる。長い間、ただの同期だった。そして、自分の秘めた想いを知っている彼。
絶対に好きにならないと思っていた相手を前に、少しずつ陥落させられていく彼女。そして、彼も今までとは全く違い、彼女に一途な想いをぶつけてくる、そのまっすぐで情熱的な想いが見ていてすごくドキドキさせられました。
突然の事故により、半年間の記憶を失ってしまった主人公。その間に、彼女は人生の転機ともいえる結婚をしていた。だけど、その間の記憶はないし、相手は顔と名前は知っていても自分とは接点などなかったはずの人間。なぜ、自分が彼と出会い、結婚したのかもまったくわからない。
過去を忘れてしまったことにより、戸惑いながらもそれでも前向きに考える主人公。そして、そんな彼女に優しく手を伸ばす彼。
忘れてしまった過去と現在が交合に書かれており、少しずつ紐解かれていく過去。それと同時に彼女の現在の彼への気持ちも変わっていき、すごく読みごたえがありました。
お互いに不器用で、それでいて、出会うきっかけとなった本のキャラクターたちとの相互性。いろいろと奥の深い作品たちとの共鳴があり、とても楽しかったです。
ただの会社の上司と部下。それだけの関係だと思っていた。だが、ある日、上司からの熱烈なアプローチを受け、一変する。
周りにはバレバレの上司の気持ち。だけど、本人には全く気付かれないという。そんな彼のアプローチは熱烈で強引。彼の強引さに引き込まれながら、あれよあれよという間に進んでいく関係。
彼の主人公への気持ちが大きくて、すごく想われていることがよくわかる作品でした。
総理が相手ということで、今まで読んできたお話とは少し違った感じがしました。ストーリー的にはラブストーリーで特に何かが違うというわけではないのだけど、相手が総理というだけでいろいろと勝手の違う展開が待ち受けていて、こうだからこうだろうという先が見える展開ではないために、この先どのように話が転がっていくのだろうとハラハラしながら読んでいました。
主人公がいろいろと手のひらで踊らされている感じがありましたが、それさえも政治の世界に身を置いている人が相手ということで手強く、また面白かったです。
先生シリーズの第2弾となるこの作品。すでに先に第3弾を先に読んでいたので、この作品がシリーズの中で最後に読む作品となりました。なので、今回の主人公のひまりがどのような形でどの先生と恋に落ちるのだろうと思っていたのですが、まさかの勤務先の病院とは別の獣医とは。予想外でした。
そして、この作品で読んで感じたことは、恋愛はもちろんですが、それよりも動物への愛情のかけ方。そして、責任の持ち方。
ラブストーリーなのに、考えさせられる作品でした。
四年前。好きだった同期に振られてしまった主人公。その同期が自分の上司となって、再び現れたところから、始まる。
振られてしまっていたから、未だに残っていた気持ちに蓋をする。それは主人公なりの自衛。でも、そんな彼女のことなど知らずに、やたらとかまってくる彼。
お互いが想い合っているのがわかりながらも、過去のことが原因で歩み寄れない二人。もどかしい二人の想いにいつの間にか応援していました。
親に決められた政略結婚。顔も名前も知らない相手との結婚を認められない主人公は逃亡をはかる。
気持ちの伴わない結婚がいやだと思う主人公を前に、彼は恋を始めようと言ってくれる。
全体的に優しい雰囲気の彼。どちらかというと少し勝ち気な主人公を包み込むような優しさがあり、読んでいてほんわかさせられました。
少しずつ恋を見つけていく主人公。そして彼女の気持ちを待つ彼との恋のやりとりがよかったです。