聖凪砂さんのレビュー一覧
想いを寄せていた人に失恋した主人公は、やけ酒をしていた。そこで出会った一人の男性と、一夜を共にしてしまう。
よくあるストーリーのようで、ありきたりかな…と思ってしまうのだが、読み進めていくとどんどんとストーリーに引き込まれていく。MRと医師の恋。ただの恋愛ではなく、仕事をしている彼らの日常もきちんと描かれているところがストーリーにリアル感と世界観を見せているのだと思いました。
それほど長くないページ数の作品ですが、とても読みごたえがあり、また、この二人がその後どのようになっていくのかが知りたいです。
過去、いろいろなことがあった主人公。そのせいで、人と壁を作りながら生きていた彼女は、突然の異動により、苦手な部署へと配属される。
苦手だと思っていた上司が、実は初恋の相手。
心にブレーキをかけている主人公をあれやこれやと構いつつ、仕掛けてくる彼に翻弄されていく彼女。淡々と紡がれるストーリーの中に、日常が織り交ぜられている作品でした。
今までずっと傍にいた二人。お互いがお互いを想っていながらも近すぎる距離に身動きがとれない。誰よりも想っていて、好きで―――…
でも、だからこそ近づくことができない。どうにか前に進もうとお互いがするものの、二人は悉くすれ違ってしまい――…
ここまですれ違いの連続は、読んでいてハラハラしました。二人は本当に結ばれるのか、それとも、まさか最悪な結末…?と最後はハッピーエンドだろうと思いながらも、それでも最後までどうなるかわからない展開に、どうなっていくのか気になって気になって仕方がありませんでした。
ゆったりと進むストーリーでした。
ジェットコースターのような激しい恋ではないけど、でも、ゆっくりと深めていく恋。読んでいてほのぼのと、でも時には強引に引き寄せられたりと、すごく温かくほっこりとした気持ちにさせられる作品でした。
親族に決められた婚約者。誕生日を目前に控え、ついに自分のささやかな自由の時間が終ろうとしていた主人公。自分の決められた人生に諦めていながらも、それでも心の中では納得できないものもあり、複雑な想いを胸に秘めながらも、彼女は淡々と過ごしていた。そんな時に現れた人。婚約者がいると告げながらも、自分を求めてくる彼に、彼女は必死に抗うが――…
はじめからストッパーをかけていたはずだった。なのに、不思議とそのストッパーを止めることができない。好きになったとしても、成就できないとわかっている恋。それなのに、彼はそれでもいいとぶつけられる、それがすごく戸惑いと共に不安をかきたてる。
主人公の諦めなければいけない状況と、秘めている恋心。むなしさと切なさと、やりきれなさが溢れる切ないラブストーリーでした。
幼い頃、偶然毒に侵され苦しんでいる少年を助けた主人公。そのことから、彼は彼女に忠誠を誓い、騎士でありながらも彼女の忠実な下僕となる。
下僕という響は、あまりいい感じには聞こえませんが、ここでの二人の関係のこの言葉はいい意味での特別な意味合いも含まれています。自分の気持ちに気づくこともないままに惹かれあう二人。だけど、身分の差がどうしようもなく二人の間に立ちはだかり、どうすることもできない。
彼女が家のために婚約を受け入れても、それでも彼女から離れずにいようとする彼の一途さ。そして、自分の気持ちに気づきながらも、その立場にその気持ちを必死に押しとどめようとする彼女。
二人の切ない気持ちがストーリーの中に溢れており、とても切なかったです。
自分の感情を素直に表にだすことができない主人公。それは表情にも表れていて、周りには無表情な人間に見られている。そんな彼女にやたらとちょっかいをだしてくる専務。さりげない優しさと彼女の不器用さを知りつつ包み込むような優しさを見せてくる彼がすごく素敵で、とても魅力的でした。
そして、飼い猫であるハチの主人公への想い。ハチの主人公を心配する気持ちと主人公のハチへの想い。
ところどころに入れられたエピソードの数々がすごくよくて、読み終わってもまた読み返したくなる作品でした。
頑張ってきた仕事。でも、ある日事故にあったことで、そのすべてがフイになってしまう。そのことで自暴自棄になっていた主人公。そんな彼女の主治医は、自暴自棄になっていた彼女に優しい言葉ではなく厳しい言葉をかけていく。
読み始めた時は、ここからどうやって恋へと発展していくのだろうと思うほど険悪だった二人。医師という忙しい仕事の彼とは、それほど顔を合わせることもなく別れたところは、思わず「え?」と思ってしまいました。それが、仕事を通じて会うようになり、お互いに仕事を一番に考えながら頑張り、付き合っていく姿は、まさしく大人の恋愛と思いました。
家業の経営難を救うために、お見合いをした主人公。そんな彼女の相手は、高スペックな相手。政略結婚という二人の結びつきだが、彼女はそれさえも前向きな考えを持つ。
家業の酒造を救うためでもあるが、彼女自身も資格を持ち、お酒への知識は豊富。お酒と祖母の日記を軸に物語が展開していく様は、すごくきれいでその世界観に引き込まれていきます。また、ゆっくりとだけど、お互いに少しずつ距離を縮めていく二人。そんな二人の恋愛模様もとても素敵でした。
この作品を読み終わった時、現実での世間の厳しさや未だに残る男女間の仕事に対しての向けられ方。 すごく考えられる作品でした。 読んでいると、自分はこのようにしていないだろうか?そう思ったことはないだろうか? そんな疑問と共に、共感できるところ、また自分もそういうことにあったことなど、すごくリアル感がありました。 ただのラブストーリーというだけではなく、事件になることはなくても現実社会で起こっていることがテーマにされており、とても読み応えのある作品でした。
この作品を読み終わった時、現実での世間の厳しさや未だに残る男女間の仕事に対しての向けられ方。
すごく考えられる作品でした。
読んでいると、自分はこのようにしていないだろうか?そう思ったことはないだろうか?
そんな疑問と共に、共感できるところ、また自分もそういうことにあったことなど、すごくリアル感がありました。
ただのラブストーリーというだけではなく、事件になることはなくても現実社会で起こっていることがテーマにされており、とても読み応えのある作品でした。
まっすぐに、仕事に対して真摯に向き合う主人公。若く綺麗な女性ということで、真面目に一生懸命に、また能力もあるが、侮られてしまう。現実社会でもある、そんな理不尽な見方をされる主人公は、時に落ち込みながらも、それでも彼女の奥深くにある真面目で仕事に対しての真摯な姿勢。それが、読んでいてとてもすがすがしかったです。
また、社長も彼女を外見で判断していたのだが、すぐにその思いを改めるところ。そして、彼女が働く事務所の所長や同僚たち。魅力的な人物がたくさんいて、そんな人たちに囲まれながら仕事をしている彼女がうらやましいです。
読み始めた時は、主人公の性格や表紙の文言からは想像もしていませんでした。でも、読んでいくにつれて、彼女のはきはきした性格や見た目では考えられない男性恐怖症。そして、時たま斜め上をいくような考え方に、始めの想像は覆りました。
昔からの知り合いであり、自分に手を差し伸べてくれた人。彼の包み込むような温かい愛情が読んでいてすごく心地よかったです。
前作が読み終わった後に、「この続きが読みたい~」と心底思った作品。その続きが読めて、すごくうれしかったです。
料理を通して、生み出されるストーリーの数々。前回は、皇帝との出会いとリントとの恋や食堂をはじめて軌道に乗るまでのお話で、その先が読みたいと思うようなところで終わりました。今回は、その先の展開や皇帝の周りにはびこる複雑な勢力関係や陰謀。また、お妃候補の王女たちとの出会いと駆け引きなど、前作が序章とするなら物語の中枢部分の始まりに入りかけたところ。まだまだ二人が幸せになるには時間がかかりそうですが、料理を通して深めていく二人の愛と周りとの関係がとても読みごたえがあり、そして、早くもこの続きが読みたいと、また思えるほどに満足のいく作品でした。
ただのラブストーリーではない。
この作品を読んで、ラブストーリーではあるものの、それよりも私は医療に関連した仕事に対しての真摯な姿、挫折、悩み、また患者との関わり方など、医療を中心とした作品のように思えました。そのため、ラブストーリーとしてはラブの部分は少し少な目かもしれません。ですが、ごまかし気味な医療の現場の姿も丁寧に描かれており、医療従事者ではない私には未知の世界の世界観ですが、わかりやすいです。
それほど多くないページ数ですが、とても読み応えのある作品でした。
副社長との出会いから恋になる過程までは言わずもがなという感じですが、短いページ数の中でのストーリーだったので、展開が早く読みやすかったです。
名前さえも知らない状態だった主人公の存在。でも、それからの二人の近づいていく距離感は慎重な主人公を前に、やたらと強引な副社長の存在があり、早く進んでいきます。
ただ、私がその中で一番感じたのは、主人公のリアルな感情表現。内心では、少しは思っていることもこの作品では書かれており、仲のいい同僚に対しての内心での感情など、取り方によってはマイナスに感じる人も出てくるかもしれないところも書かれており、それがとてもリアルだな…と思いました。
彼女ではない。でも、同期としては自分は大切にされていると感じている主人公。恋する相手は、女の子とゲーム感覚で付き合っては別れてを繰り返す最低の男。だからこそ、なぜ自分が彼を好きなのかわからないながらも、それでも好きで仕方がない。
彼との関係が変わった一夜。でも、それを気にしていないふりをして覚えていないという彼女の健気さ。
彼との関係が壊れることを恐れながらも、それでも選んだ道がとても切なかったです。そして、彼の煮え切らない態度。そんな彼に振り回されながらも、彼もまた彼女に絡んでくる。
彼女の真剣な想いと、彼の過去の自分の行いの後悔なども見え隠れし、悪い男だとは思いながらも、それでも惹かれる彼女の気持ちが読んでいて、なんとなくわかる気がしました。
極度のシスコンの兄を持つ主人公には、憧れの人がいた。
ある出来事から、彼は彼女の恋人となる。ただ、そこには期限があって―――…
かりそめの恋人ということで、別れがある関係だった。それは、主人公の叶わない夢を一瞬でもというほんの少しの欲から。でも、それは逆に彼女をどんどんと苦しめていく。彼を知れば知るほど好きになっていく気持ち。その切なさが、よくわかりました。それとは別に、彼自身もわかりやすい態度をとっていることがあり、切ないだけではなく、ほのぼのと読める作品でもありました。
若い頃は夢を持っていても、いざ社会に出て現実的に働きはじめると、過去に持っていた夢を諦めることが多い。だけど、そんな大人が多い中、夢を諦めずにその夢に向かって頑張って毎日働いている主人公。
そんな彼女の前に現れたのは、偉そうにしながらも時に優しい態度を見せてくれる男性。
彼女にアドバイスしたり、助け舟を出してくれたりと、優しく手を差し伸べてくれる彼。
夢に向かって諦めない二人の関係性がとてもよかったです。
結婚に向けて進んでいるはずだった。だけど、病院の御曹司である彼との結婚は、彼の母親と姉たちの冷たい言葉と反対にあい、あえなく破談となる。そのことがコンプレックスとなっていた主人公。そんな彼女の前に現れたのは、元カレ以上の人で―――…
ゆっくりと包み込むような愛で、優しく、時に強引に翻弄される主人公。優しいだけかと思えば、獲物は決して逃さないとでもいうほどに強い意志を持つ彼。
彼の懐の広さと温かさ、洗練された言動の数々が、元カレとの差を見せつけられる。
ずっと植え付けられたコンプレックスも、彼の包み込むような温かさでゆっくりと溶かされていくところもすごくよかったです。
地位のある二人。だからこそ、想い通りの恋を貫くことができない。そんな複雑な二人のもどかしい関係の中、諦めたはずの恋が結婚ということで動き出す。
お互いに想い合っていながら、複雑な背景により、素直になれない二人。そんな二人の恋愛模様とともに動き出すのはそれぞれの思惑と陰謀。
ただの恋愛だけではなく、王族という陰謀渦巻く世界そのものの展開の連続に、とても読みごたえがありました。だれが、事件の犯人なのか、その裏には何があるのか――…
考えながら読むのは、とてもわくわくしました。