聖凪砂さんのレビュー一覧
突然の事故で、両想いだった二人は最後のお別れも言えずに別れてしまった。
幼い想いを持ち、そのまま大人になった二人はある日、偶然にも再会して―――…
昔の事故のことが、きっかけで強引に彼と同居生活をすることとなった花菜。突然の再会は、ただのなつかしさだけを浮かべていただけなのに、近づくことで昔の淡い恋も蘇ってくる。過去の想いと、別れていた間の年月。二人の中での些細な気持ちの温度差やすれ違いなど、戸惑いながらも大人でありながら、ゆっくりと小学生だった頃からの恋を始めているような、純粋なラブストーリーでした。
地味で目立たない容姿。それは自分でもよくわかっていた。だから、何かを期待することもなく、ただ一生懸命に仕事をしていた主人公。
そんな彼女は、なぜか副社長に気に入られていて。
外見だけで、人を判断して接する人たちの中で、きちんと内面を見て、誰よりも主人公を魅力的に見ている副社長が、周りの人間の言動からもすごく対称的で素敵でした。また、課長の手のひら返しも読んでいて、こういう人って実際にいるな…なんて思いながら。
中編ということもあり、短かったこともあったのか、個人的には、副社長に主人公を傷つけられた人への制裁なども書かれているとすっきりしていてよかったな…と。
期間限定という限られた時間内での契約の恋人。
元から好きで…とか、契約しながら…とか数多くある作品とは、少し違う、お互い知らないもの同士の二人は、つじつま合わせのために、一か月間会うこととなる。
それほどべったりと会うわけではなく、一定期間の距離を置いての中での縮まる距離感。それが、下手に近づきすぎる展開ではないので、やけにリアル感があり、引き込まれていきます。期間的には、恋になる時間も短いはずなのに、なぜかゆっくりとはぐくまれたと思わせられる錯覚感。
短い作品の中で、すごく奥深いラブストーリーを読んだ気持ちにさせられました。
とにかく、信じられないことから始まり、終わりまでそのペースが崩れることなく駆け抜けたお話でした。
親の借金から、闇金のたちの悪い人ではなく、御曹司に攫われ。この時点で、すでにストーリー的にいつもとは違う感じ。そこからも、キャラがぶれることなく突き進んでいき、最後の最後までその勢いは止まりません。
先が見えない、でも、すごく面白いお話でした。
ただのファンタジー作品とは違う、少し変わった趣向のストーリー。
西洋の世界観と現代とか織り交ぜられた不思議な世界感にどんどんとひきこまれていきます。
訳ありで小説の中に入り込んでしまった主人公。そんな主人公は、元の世界に戻るためにあるミッションを小説のストーリーを進めながら、進んでいきます。
そこにあるのは、真実の恋。
本当の恋というものを知りながら、小説の中と現実の間で苦悩する主人公。
少し変わった世界観のラブストーリーですが、すごく楽しく読ませていただきました。
政略結婚を受け入れ、その婚儀のためにやってきた主人公。甘い恋心を抱いてというわけではないが、それでも王女として婚姻をすることにより、相手のことを好きになろうと思いやってきた。だが、相手の王太子は、彼女につれなくて―――…
冷たい婚約者との関係を少しでもよくするために、悪戦苦闘する主人公。そんな姿に、少しずつ王太子の気持ちも絆されていく。その先に続く、忌まわしき過去に陰謀と、初めからは想像のできない展開への移り変わりに、最後までドキドキさせられっぱなしでした。特に後半は、一気に読み進めていきました。
ゲームとして相手のことを見ていた社長。
会社の冷徹な社長と一緒に過ごすことが増えたことで時々見える社長の様々な顔。だけど、それはどれも本当の社長なのかわからない。
戸惑いながらも、相手の本心が見えない主人公は、惹かれながらも、その気持ちを認めることができなくて―――…
他愛無い恋のかけひきのゲームかと思っていたのに、作品を読むうちにどんどんとその奥深さが見えてきます。
それは、読めない社長の数々の行動が、最後にはそういうことだったのか…とも思え、自分自身でもわかっていなかった気持ちがお互いに反発しながらそれぞれ気づいて前に進んでいくという、すごく大人のラブストーリーでした。
全体的な流れはとても緩やかで甘い作品でした。
すごくハラハラさせられるところも、ほとんどなく、ただ彼の懐の大きさの中にゆっくりとくるまれ、愛される主人公。そんな彼女は、ただ流されているだけではなく、仕事も夢もきちんと持ち、前に向かって真面目に働いている女の子。ほのぼのしてそうで、でも、芯のある主人公を元に紡がれる作品は、とても魅力があり素敵でした。
まさしく、シンデレラストーリーだと言える作品でした。
一般的な家庭よりも、少しお金に余裕のない主人公ですが、常に前向きに行動しています。そんな彼女が出会ったのは彼女とは対称的な大金持ちの御曹司。
初対面は最悪な出会いながらも、そのあとに続く価値観の違いに戸惑いながらもゆっくりと育んでいく愛。とにかく、前向きで自分のことよりも人のこと。自分が傷つけられることは構わないけど、周りに迷惑がかかるのだけは我慢できない。そんな真っ直ぐな主人公ですが、違いすぎる価値観も、最後には前向きにとらえて進んでいく姿がすごく好感が持てました。
婚約者のふりというのは、ストーリー上よくある展開。だけど、この作品が面白いのは、片方だけではなく二人ともがお互いのことを想っていて、そこから偽の関係をすることで近づき、すれ違っていくところ。
主人公は、男っぽい自分と周囲の評価から自分に自信が持てないコンプレックスの女の子。だからこそ、想いを告げられても、素直に受け入れることができず、そこが読んでいてすごくもどかしい。そして、彼のほうは誰から見ても完璧な男性。
二人の想いが惹かれ合いながらもすれ違い、どんどんと近づくのかな?と思ったところで、最大の問題が持ち上がりと、最後までどうなるのかと目が離せませんでした。
すごく前向きな彼に、翻弄される主人公。毎日を、ただ平凡に過ごせることに安らぎを覚え、満足していた主人公。だけど、突然の異動命令に、その安らぎは奪われる。
笑顔を振りまき、前向きに行動していく年下の上司に、自分のペースを乱されまくりの主人公。初めから苦手としか感じない彼なのに、なぜか彼はパーソナルスペースへとぐいぐいと入ってくる。
びっくりするぐらいに強引な上司からのアプローチに戸惑う主人公。
短いページ数だったこともあり、これから本格的に恋が始まるという感じで終わっていたので、この先の二人がどのようになっていくのかが、読みたいです。
変わり者の令嬢。だけど、芯はしっかりとした真っ直ぐな女性。本来、こういう女性が王妃の器にふさわしい。だけど、あまたの令嬢とは違う変わり者の自分には王妃の器ではないと思うところが面白いところ。
そんな彼女に王子は惹かれていくのだけど、それも正しい判断だと思いました。
盛大な勘違いから始まった、それは、とどまることを知らずにどんどんと加速していき、とても面白く読ませていただきました。
勘違いからの突っ込みとかがとても面白くて、その情景が目に浮かぶようでした。
完璧すぎる上司。だからこそ、恋愛感情というよりも、興味を持っていた主人公。
だけど、偶然、そんな上司の修羅場に遭遇してしまったことで、その意識が変わっていく。
完璧すぎることから、自分とは違う世界、雲の上のような人と思っていた。だからこそ、そこから恋の相手と考えられることもなく、それが、部長の欠点を知っていくことで人間らしさが見えることで、身近な存在へとなっていく。それが、興味から恋愛へと変わっていく様は、読んでいてもよくわかりました。
部長も欠点がありながらも、やはり社内での仕事をする姿勢などは、大人のできる男の人という感じですごくかっこよかったです。
題名から、かなりクールな先生なのかな?と思っていたのですが、予想とは違い、とても真摯で優しい先生でした。もちろん、医師なので言わなければいけないことはきちんと言う。でも、それは冷たいというわけではなく、真摯な対応で、より一層好感を持てます。
主人公の彼が問題のある人なので、より一層、先生の魅力が輝いていました。
産婦人科ということもあり、妊娠出産ということもストーリーの中に入りながらも、温かい気持ちになりました。
だからと言って、甘いだけの世界観だけではなく、そこにある日常に起こる産婦人科に持ち込まれる話も入れられており、すごく読んでよかったと思えた作品でした。
すごくゆったりとしたほんわかしたラブストーリーでした。 この作者さんの作品は、すごく大人っぽい作品が多く、よく読ませていただいていたのですが、今回この作品を読んで今までのイメージが覆されました。 それぐらいほんわかしたゆったりした作品です。 初々しい二人のやりとりや、周囲のキャラクターも温かい人たちが多く、作品もほんわか、読んでもほんわかと温かい気持ちにさせられました。
すごくゆったりとしたほんわかしたラブストーリーでした。
この作者さんの作品は、すごく大人っぽい作品が多く、よく読ませていただいていたのですが、今回この作品を読んで今までのイメージが覆されました。
それぐらいほんわかしたゆったりした作品です。
初々しい二人のやりとりや、周囲のキャラクターも温かい人たちが多く、作品もほんわか、読んでもほんわかと温かい気持ちにさせられました。
敵国の王の元へ嫁ぐ。
そのフレーズだけ聞くと、重苦しい陰謀渦巻くシリアスなラブストーリーかと思う。
だけど、この作品はそんなシリアスさなど全く…とは言えないものの明るいお話。それは、主人公の明るい性格があるからだと思う。
もちろん、敵国の王を討てという母親の言葉から、素直にそれを実行しようとするものの、それがなぜかシリアス展開にいかず、間抜けなことに。復讐もの…のはずが、なぜか笑いながら読めてしまう、この作品。
最後の最後まで楽しく読ませていただきました。
高校生の頃、大好きだった人。その気持ちは間違いなくあったはずなのに、幼い心はその気持ちと行動を上手く動かすことができなかった。だからこそ、別れてしまった二人。
その別れは、『後悔』という言葉と共に、主人公のずっと心の奥深くにあった。
そして、そんな彼女は元カレと再会する。
こうなると、その先の展開は予想される。だけど、この作者さんのお話はここからがすごい。
王道ストーリーのはずなのに、それがただのありふれたストーリーではなくなる。王道の中に、深みと共に、心情。
社会人となったからこその、仕事を通しての人間関係。とても深みのある作品で、読み終わった後に温かい気持ちになりました。
恋はしたい。だけど、自分の対人関係の苦手さが出てしまい、男性との出会いに積極的になれない主人公。それは、ある合コンを境により一層強くなる。
そんな中、出会ったのは正反対の二人。
理想の相手に惹かれていくのは自然な流れの中、そんな流れを無視して主人公の心をかき乱す、苦手な部類の男性。
理想と現実のギャップに戸惑わされながらも、後ろ向きな主人公相手に奮闘する男性の姿が面白かったです。
恋というものを考えさせれる作品でした。
本当は両想いのはずだった。だけど、ちょっとした不安とボタンの掛け違いから、その恋が実ることがなかった。そんな二人が偶然の中での再会を果たし―――…
過去の想いを引きずったままの二人。
だけど、彼は後悔を――… 彼女は、叶わず拒絶された想いの傷を――…
お互いに想いを持ったままのはずなのだけど、過去の出来事からその関係の想いは複雑で。
過去の出来事と心情がとても丁寧に書かれていました。そこはすごくよかったのですが、そのことで不安な二人の心がよくわかり、だけど、それが少しくどく感じる場面もあったのが少し残念でした。
恋人がいながらも、その冷めた関係に悩んでいた主人公。自分の存在をないがしろにされつつも、決定的な別れがないため、その関係は続いていた。
そんな中で出会った人。彼は、なぜか彼女に迫ってきて。
惹かれながらも、彼がいるという中での自分の立ち位置。だからこそ、疑問に思いながらも、その心を律する気持ち。でも、本当は――…
複雑な心情が丁寧に描かれていて、すごく読みやすかったです。読んでいるほうからすれば、流されても――…とも思いながらも、実際はそう簡単なことじゃない。
そして、彼との関係の中、運命的な出会いの中で見えてくる背景。
ただの恋愛じゃない、複雑な会社でのことなど、すごく読み応えのある作品でした。