聖凪砂さんのレビュー一覧
この作品を書かれた作者さんは、いつも、ストーリーの中に突拍子のない設定を入れることがある。そのことを知っているので、今回もどのような設定が含まれているのだろうと、ドキドキしながら読み進めました。
今回ももちろん、一風変わった展開から進んでいくのですが、読み終わった後は、ストーリーの激しさがある中で、実はピュアなストーリーであることがわかり、とても読了感がほんわかした気持ちになりました。
ただの気になるお客さん。その人が、とても素敵な人なら目をひかれるもの。でも、お客さんだからこそ、気にはなりながらも、そこから近づくこともない。
それが、ある出来事により近づくこととなり―――…
二人のそれぞれの想い。そして、ゆったりとした世界観の中で紡がれるラブストーリーがすごく大人っぽく感じました。
嫌われている。だから、自分も苦手意識を持ち、避けていた相手。
そんな同期の彼が、ある日、お見合い相手として目の前に。信じられない事態と、その後の彼の行動に翻弄される主人公。
昔言われた彼の一言が彼女の中にずっと残り、それがしこりとなって残っていた。だからこそ、彼の行動に意味がわからない主人公。見えてきそうになる彼のこと。でも、少し近づいたかと思うと、突き放されるような感覚に落とされる。
近づくかと思えば遠ざかる二人の関係に、もどかしさを感じました。
物静かで、誰かとことを荒立てるということもなさそうな真面目な主人公。
ふとしたことで出会った二人。それぞれの思惑もあり、結んだ契約結婚。だけど、そこに隠された思惑はとても複雑で、いろいろな人の想いが絡んでいく。
一見言い負かされるばかりかと思われる主人公。だけど、言われっぱなしではなく、静かに対応する中に彼女の芯の強さが見えて、すごく清々しかったです。
昔から知っている相手。その想いはあっても、年の差から諦めていた関係。
でも、ある出来事により二人の関係は近づいていく。
諦めていた想い。でも、近づくことでその想いは強くなり欲張りになる。それとともに、知らなかった彼のことを知ることとなり、それは知りたくなかった事実さえも―――…
近くて遠い存在だったからこそ、それぞれの想いが信じられなくなったり、自分自身で深く考えすぎたりと、とても切なかったです。
恋愛が重いと思われ、なかなかうまくいかない主人公。恋をすることに自信をなくしつつあった彼女の前に突然ハイスペックな人物が現れる。
突然の彼の登場とともに、彼はなぜか彼女にアプローチしてきて……
自分に向けられるいきなりの好意。そのことに疑いを持ちながらも、彼の強引さにぐいぐいと引きこまれていつの間にか彼のペースに…
戸惑いながらも、それでも見えてくる彼の姿に少しずつ惹かれていく主人公。二人の恋のはじまりから進んでいく素敵なラブストーリーです。
最悪な状況に陥った中で出会った出会い。
それは、彼女を思いがけない関係に進めていく。
最悪な元カレやその彼のせいでおかれた理不尽な状況。
それが、ある出会いからのどんどんと救われていく主人公の状況が読んでいてすごく清々しかったです。
最初はお互いの事情のための契約関係の二人。
だけど、お互いのことを知っていくたび、そして、周りの人たちとの関係を経ていくにつれて少しずつ近づいていく。
初めの出会い。それは、二人だけでのことではなく、このパーティーでのことを境にストーリーが最後の最後まで進んでいき、切ないストーリーなのに、幸せな温かい気持ちにもさせてくれる作品でした。
はじめは契約関係だったにも関わらず、諦められないほどに強くなる想いが素敵でした。
ドジな主人公を叱りながらも、実は見守っている彼。
そんな一途な上司の彼と、七年間も付き合いながらも浮気をしていた彼。この二人の対比が正反対だからこそ、すごく際立って見えました。
上司の彼と主人公の二人の温かい関係に読んでいてすごくよかったです。
個人的には浮気をしていた彼と、その相手がその後不幸になればいいのにと思ってしまいました。
外見だけで人の本質を決めつけがちなのは、大部分の人がそうなのではないだろうか。本当はそういうことはいけないとわかっていながらも、考えと実際の思いは別。そのことでつい口に出してしまっては後悔と、主人公の人間らしさがすごくよかったです。
ただのいい人というのではなく、そんな人間らしい少し汚い部分とかも書かれていることが、主人公にリアルさが出ていました。
だからこそ、そんな自分のことに軽蔑して、後悔して、悩みながらも行動に移したりする姿がとてもよかったです。
始まり方が悪かった。
『政略結婚』というカテゴリーに入れられた結婚。それを最初から告げられたことから、気持ちを通じ合わせることができない二人。
それぞれがそれぞれの想いを持ちながらも、『政略結婚』ということから前に進むことができない。そして、だからこそ追い込まれていく主人公。
それぞれの想いが、男女の視点で書かれていたのがとてもよかったと思います。でないと、ダンナ様が何を考えているのかわからず冷たい人だと思っていたと思います。ですが、二人の視点があることでダンナ様の本当の想いもわかり、だからこそ二人のすれ違いがもどかしくもあったのですが―――…
切なくもすれ違いの二人の関係がとても読んでいてもどかしかったのと、それでも少しずつ超えていこうとする関係性がすごくよかったです。
家の花屋を純粋に守りたい主人公。だけど、想いだけではどうすることもできず、経営は傾きつつある。
それでも諦めきれず、閉店ということが頭を過ぎってはその考えを頭の隅に追いやって一つ一つ丁寧に仕事をする彼女。そして、そんな彼女の店にいつも花を買いに来てくれる人。ただのお客さんと思っていた彼との距離が近づくことでその関係は変わっていき――…
二人の想いがとても純粋だからこそ、身勝手な独りよがりな想いをぶつけてくる人がとても悪く見えました。それほど多くないページ数で二人の想いと関係を重点的に置き、進めていくストーリーがとてもマッチしていて、すごく読みやすかったです。
家族のため、夢をあきらめ一生懸命に生きている主人公。
夢をあきらめながらも、そこには自分で決断したことに後悔はない。だけど、そんな彼女の前に諦めたはずの夢をもたらす相手が現れ――…
主人公だけではなく、周囲の気持ちもとても丁寧に書かれており、その複雑な心情が見てとれます。そして、たくさんの決断を下しながらも、それでも時には悩む彼女にさりげない助けを出す彼。
ゆっくりと進めていく二人の恋と家族との絆。
そして、その奥には隠された運命が――…
ドラマチックでそれでいて細部まで丁寧に書かれた素晴らしい作品でした。
和菓子を愛する主人公は、仕事で出向いた先でその店の社長に結婚を申し込まれる。突然のことに、戸惑いながらも彼の巧みな話術に乗せられ、ついには結婚することとなるのだけど―――…
彼の掌で踊らされている感じの主人公。だけど、ノー天気そうに見えて、実は懐が広く前向きな主人公に、いつしか彼のほうが包み込まれているようになる。
彼の隠された謎。そのことによって、沈みがちな彼を真っ直ぐな気持ちで包み込む主人公。前向きでグダグダ考えるのが嫌いそうな主人公は、秘密主義で落ち込みがちな彼にはすごくぴったりで、暗くなりがちなストーリーのはずなのに、彼女の行動により、明るい気持ちと清々しい気持ちで読めました。
素直でまっすぐ。だからこそ、危なっかしくて騙されやすく、周りからはダダ漏れの彼の気持ちにも気づくことがない。
そんな彼女の勘違いの行動の連続は、切ないはずなのに、なぜか面白い。それは、彼の想いがダダ漏れなのが読んでいるこちらにも伝わってくるからだと思う。
すごく面白い作品でした。
主人公からしたら、突然のこと。 だけど、そこから深まっていく溺愛の嵐。 出会いから恋を育むまでのストーリー。王道のストーリー展開ですが、とてもストーリーがきれいで、ドキドキの連続でした。 読んでいて、とても恋することが素敵なことだと思える作品でした。
主人公からしたら、突然のこと。
だけど、そこから深まっていく溺愛の嵐。
出会いから恋を育むまでのストーリー。王道のストーリー展開ですが、とてもストーリーがきれいで、ドキドキの連続でした。
読んでいて、とても恋することが素敵なことだと思える作品でした。
なんの疑問も抱かずに受け入れた親が持ってきた婚約。それは両家にとってとても大切で、それが当然だと思っていた。
だけど、婚約をしたところで未だに婚約者に会えない現実。そんな中、自分にアプローチしてくる男性。
会うこともできずに、ただ婚約の事実だけがある中で、自分に想いを寄せてくれる彼のアプローチ。現実感のない婚約者と現実で口説いてくる男。そのあやふやさの中で揺れる彼女。だけど、婚約しているという事実だけが彼女を縛り付けていて、それが彼女の変わりゆく気持ちにストップをかける。
匠海さんがすごく誠実でまっすぐに気持ちをぶつけてくるからこそ、婚約者の彼の自分本位なだけの言動がすごく鼻につきました。
突然の再会からの、突然の同居。
自分とはかけ離れた存在の彼。でも、そんな彼から想いを告げられるも、突然のことに信用することができない。彼の言葉の裏を疑いながらも、意味深な言動に心は揺るがされる。そして、彼のほうも目的がありながらも、予想外の彼女の反応に戸惑う。
近づくようでいて、その裏にある不安。そして、自分たちの気持ちとは別のところで企まれる動き。
疑いながらも、進展していく関係に、ドキドキしたり切なかったりの連続でした。
一見、強引な政略結婚だと思った。だけど、読み終わった後、そこには温かくて深い気持ちが溢れていました。
政略結婚から始まり、企業間での駆け引きや陰謀など、怒涛の展開の連続で、とても読み応えのある作品でした。
政略結婚ということから疑心暗鬼の中から始まる関係。疑いながらの関係は、彼の行動に振り回されながらも少しずつ前進していく。そんな中、見えてくる政略結婚の裏にある隠された真実。
読み終わった後は感動の嵐だったのですが、その中で一点だけ見えなかった部分。途中現れた幼馴染の女性の行動の思惑が結局何だったのか、それが少し気になりました。
お互いに気になる存在でありながら、それでも友達どまりの関係。
それぞれの親たちの確執により、厄介な相手ということもわかっている。それでも、気になる存在だった関係は、あることにより変わっていく。
とめどない想い。そして、周囲に邪魔をされようとも自分の想いを貫こうとする二人の絆と想いの深さ。最後の最後まで、邪魔が入る様子にハラハラが止まりませんでした。